【セレッソ】クルピが失敗した理由とセレッソの問題点

2021.8.26 クルピ退任のニュースがついに流れてしまいました。

うーん、残念です。本当に、残念。セレッソ大阪発展の功労者であることは間違いない人で、その人がこういう形でセレッソを去るのは、本当に心苦しいことですね。 あくまで、応援する立場を取っていたので、本当に悲しい(苦笑)

個人的な雑感としてはこんな所ですが、では何故、クルピは失敗してしまったのか?という所と、そこから見えるセレッソの問題点は?という所を検討してみたいと思います。

[土塔えんじ:ご覧の提供でお送りします]

監督と選手の関係性

選手と監督の関係性について問われた時、どういったイメージを持たれますでしょうか?

  • 監督: 司令官
  • 選手: 兵士

軍隊における司令官(監督)が策を練って、兵士(選手)が実行する。こんなイメージの方も居られるかな?と思います。

個人的に考えているのは、

  • 監督: 上司
  • 選手: 部下

上の軍隊の例えとあまり変わらない?かも知れませんが、軍隊の方がより厳しく管理(上官の命令には絶対服従とかw)されるようなイメージです。

言い換えると、『監督のやり方』という表現になるのかも知れません。それによって、上司・部下になったり、指揮官・兵士という所になったり。

今回、上司―部下として、クルピと選手の関係を見直してみたいと思います。また、その関係性を見直す前提条件として、ロティーナと選手の関係性から説明していきたいかと思います。

上司:ロティーナの場合

セレッソ時代のロティーナに感じてた印象は、以下の通りです。

  1.  効率的な進め方を教えてくれる。
  2.  その上で、信頼も厚い。

ロティーナを語る上で、1.の『効率的な進め方』、つまり戦術的な所をクローズアップされることが多いですが、個人的には2の『信頼』という部分をクローズアップしたいかな?と思います。

この記事を読まれた方も居られると思いますが、ジンヒョンは、

「(もし人に教える時が来るなら)

 ロティーナ監督のような指導者になりたい」

https://www.football-zone.net/archives/314276/2

と語っているのですよね。

信頼関係が築けていないと、こんなコメントは出てこない。ロティーナ・セレッソの成功の一端は、こういった監督-選手の強い信頼関係はあったとも思います。

こう振り返ると、ロティーナって、戦術面にしろ人間力と言う面にしろ、やっぱり優秀なんですよね。それ故、上で挙げたジンヒョンや清武を筆頭にロティーナに心酔していた部分というのは大きかったと思います。

では、クルピはどうだったのか?

クルピも有能な上司

個人的に、クルピも『有能な上司』だと思っています。

クルピのよく言われるやり方で『選手の自主性に任せる』というモノがあると思うのですが、言い換えると、

選手のやり易いやり方でプレーして良い

と許容してくれるものと言えると思います。ある程度の方針は示すでしょうが、やり方は選手に任せてくれる

そして、敗戦時の言葉にもよく出てきてましたが、その結果の責任は監督にあると言ってくれる訳です。

これら、現在、社会人の方に聞いてみたいです。良い上司だと思いませんか?

やり方は部下に任せてくれて、責任は俺が取る。カッコ良いですよね(笑)少なくとも僕は、こういう上司の下で仕事をしたいと思います。それ故、色んなやり方があると思いますが、クルピのやり方も基本的には間違いはないと思うのですね。

クルピを立てた上で乱暴な言い方をすれば、

やり易いようにプレーして良いと言われてるのに、何故、選手はそれができないの?

と選手を責めることもできると思います。

選手もプロです。プロなのに、監督に言われないと何もできません・・・では、少し寂しいと感じませんか?どちらかと言うと、僕はこう考えてしまう派です(苦笑)まあ、サッカーチームをトータルで考えると、暴論に近い考え方とも理解していますが(苦笑)

ただ、クルピが退任になった今、このやり方では上手くいかなかったということになります。では、何故、セレッソの選手は上手くいかなかったのか?という所を深掘りしていきます。

[土塔えんじ:いったん、CMです]

ロティーナの陰が見え隠れする。

このブログで書くセレッソのレヴュー記事は、基本的に選手を主語にして書いてます。『プレーをしているのは選手で、サッカーは選手が主役になるべきだ』と思っているからです。

それ故に、試合中も選手をメインに見ることが多いのですが、今シーズンの多くの選手を見ていて感じたのは『迷い』です。セレサポの多くの方は感じてたと思うのですが、チームを引っ張るべき清武はずっと迷ってる印象でした(苦笑)

やっぱりね、ロティーナの陰を見てた選手が多かったのではないかな?と思います。開幕当初、ロティーナの良い所は残して・・・と言っていた清武筆頭に(苦笑)

清武自身、クルピに対して特に悪い感情はないと思います。若手の頃、自身を成長させて海外移籍まで導いてくれた恩師でもありますし、クルピのやり方に対してリスペクトを持って取り組んでいたと思います。でも、清武の中でロティーナの陰は消しきれない。故に、『迷い』が出ていたのではないかな?

転職経験者の方であれば、少し清武の気持ちを理解できるのではないかな?と思います。新しい勤め先で、仕事のやり方を教えてもらった時、

前の職場のやり方をすれば、もっと効率よく出来るのにな・・・でも、新しい職場のやり方に従うか。

と思った事ってないですか? 3回も転職している僕は、めっちゃ多いですw 清武も、こういう感覚があったのではないかな?

自分なりに仕事のやり方を確立している人であればある程、こういう囚われ方をしてしまうんですね。清武自身、プロキャリア10年以上で、その上で出会ったロティーナのやり方。そこから、クルピのやり方に変えようとするも、そのイメージを完全に拭い去ることは難しかったんだろうなと。

ご存じの方も居られると思いますが、ヨーロッパではこんな言葉があるそうです。

オシムが退任したあとはペンペン草も生えない

https://number.bunshun.jp/articles/-/830145

オシムが退任した後のチームは、喪失感が凄過ぎて、そこから立て直すのにかなり苦労するのだとか。ペンペン草も生えないとまでは言わないですが、清武のロティーナに対する思いが強ければ強い程、これに近い現象があったのではないかな?と思います。

ただ、清武とは逆に、個人的に見ていて『迷い』を感じなかった選手もいます。

迷ってなかった坂元

今年に入って、清武が迷走している横で、迷いなくプレーできていた選手もいると感じてました。坂元がその1人だと思います。

昨年はロティーナの薫陶を受けて、今年、クルピの下でも躍動してましたよね、坂元。どちらかと言うと、サイドアタッカーで固定されていたロティーナに対して、クルピの下ではゴール方向に対して仕掛けることも多くなった印象です。

個人的には、開幕戦の嘉人のファーストゴールの時の仕掛けが象徴的でしたね。

クルピの下で数字を残すことの意識が強くなったなと、とても印象に残った記憶があります。

ゴール数も、既に去年を上回ってますしね。少なくとも、ロティーナの下でセンセーショナルな活躍をした去年と比較しても、勝るとも劣らない活躍を見せているのは間違いないところです。

それでは、何故、坂元は清武のように迷わなかったのか?という所を深掘りします。

清武と坂元の明確に違うモノ。

少し上で、僕はこう書きました。

清武自身、プロキャリア10年以上で、その上で出会ったロティーナのやり方。そこから、クルピのやり方に変えようとするも、そのイメージを完全に拭い去ることは難しかった 。

清武と坂元の明確に違うモノ・・・それは、キャリア年数の差です。清武:プロ14年目、坂元:プロ3年目。

キャリアを積んでる清武は、自分なりにやり方を確立している。その上で、ロティーナと出会い、『これ!』というやり方を見つけた。そこから、恩師:クルピのやり方に戻ろうとしても、戻り切れなかった。

対して、坂元はまだプロ3年目。まだまだ、前向きにサッカーの知識・経験を吸収している最中。そんな時に出会った、ロティーナとクルピ。その両方のやり方を、貪欲に吸収しようとしている

若いっていいな!という事ですかね(笑)清武も、10年前はクルピの下でどんどん吸収して成長してましたもんね。今の坂元と同じく。

今のセレッソは過渡期

今年の開幕前に書いた記事です。

この記事で書いた趣旨は、以下です。

2020年の主力選手は、ほとんど30歳以上

ちなみに、昨日の湘南戦のスタメンの平均年齢29.1歳。30歳以上の選手が実に7人!!!

経験値のある選手は、上で挙げた清武と同じくロティーナ → クルピ交代で迷っている選手も多かったのではないかな?と思います。やはり、そういう迷いの出てる選手でチームを組んでも、上手くはいかない。

若手の育成は急務で、それ故のクルピ登用だったとは思うのですが、実はクルピは若手を積極的に使うのではなくて、『同じ実力なら、若い選手を使う』と言うのが基本的な考え方。セレサポ期待の元彦や西川は、その“同じ実力”に至ってないという判断だったんだろうなと思います(まあ、この2人の相手は清武・坂元ですからね・・)。

第4期のクルピ政権は、こんな印象がとても強いんですよね。30歳以上の選手が多く、その経験値からロティーナの後のクルピがミスマッチ過ぎた。柔軟に対応できる若手も、経験値の多い選手に対して同等の実力を示すことが出来なかった。

そんな感じで、今のセレッソを一言で言うと、

過渡期

という事になるんだと思います。変革していかないといけない時期に入っているのは間違いのない所。

恐らく、どんな監督でも難しい状況になってるのは間違いないと思います。そんな中で登用されたクルピでしたが、こういう結果に終わったのは本当に残念。でも、今まで長い間、セレッソに尽力してくれて本当にありがとうと伝えたいです。恐らくは、これで最後になるでしょうしね。

そして、次の小菊さん。セレッソが唯一、トップチームで一本筋を通してるとする所があるとすればこの小菊さんの存在だと思っています。そんなキーマンがいよいよ登場。こういうセレッソの苦しい状況を、理解している一人のはず。かなり難しいタイミングでの出番となりましたが、期待したいです。

何かしら、新しい風を吹かせてくれることを願います。

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