【セレッソ】鹿島戦:原川・奧埜のコメントから問題点を紐解く

セレッソ 1-2 鹿島

2021.9.26 @ヨドコウ桜スタジアム

まずは、13連戦お疲れ様・・・と言うべきですかね。

13連戦の疲れという所と、その上で監督交代があっての準備不足という所。この辺を考慮すると、この敗戦も仕方がない・・・と見える所もあります。ただ、試合を通じてみて差はあるかな?という印象の試合でした。

そんな試合を振り返ります。

[土塔えんじ:ご覧の提供でお送りします]

試合内容・雑感

●上手くハメられた試合

小菊セレッソで9試合。戦術的にハメた試合はそこそこ良い感じ・結果で、ハメられた試合はほぼ何もできず・・な印象はあります。アウェイ札幌戦のように、ハメられても勝てた試合もありましたが、試合内容そのままに負けてしまう印象はありますね。この試合は、上手くハメられていた感じはあります。

前線からアグレッシブにこられると、途端にビルドアップがおぼつかなくなる。これは、最近で言うと、札幌戦、浦和戦でも見られた兆候。アグレッシブに来られて、前線で相手ファールで遮断されると、セレッソはリズム・速い攻撃を生めずに苦戦する。今のセレッソをマクロでみると、そんな所かな?と思ってます。

ただ、この試合、ハメられていた(鹿島ファール数:24!)とは言え、上手く耐えることは出来ていたかな?とも思います。それが、先制点に繋がります。

●原川のゴール!!!

これは、素晴らしい流れでしたよね~。乾のスルーパスも、原川の飛び出しと相手GKのタイミングを外すシュートと、本当に美しいゴールでした!!

そして、個人的に一番褒めたいのが加藤陸次樹の頑張り

前述の通り、前線からアグレッシブにこられてビルドアップがおぼつかない状態。そんな時は、縦ポンでFWへ当てる選択肢も出てきます。ここで、FWが体を張る必要が出てきますよね。今回、西尾からの跳ね返しのボールを何とかキープする形でしたが、フォローに来た原川にボールをつないだ加藤の頑張りは賞賛されるべきだと思います。

ここ最近の加藤の頑張りは、本当に目を見張るものがあるな~と思います。下の記事でも紹介しましたが、

加藤の相手プレスの芯を食わないボールの受け方とか、前線で起点となるプレーがかなり増えている印象です。去年の坂元のようなブレイクもあり得る?・・・と個人的には感じてます。頑張れ!加藤!

●失点。同点に追い付かれる。

完全に崩されての失点。

前半32分頃にも、左右は逆でしたが、(セレッソの)左で起点を作られて、右に振られて中で合わされるという形を作られてました。中で歩夢に潰された形の土居聖真が、猛烈にPKのアピールをしてたシーンですね。サイドで起点を作り、サイドチェンジで逆サイドに振る・・という狙いが鹿島にはあったという所ですかね。

そして失点シーンですが、ここ、西尾の対応がね。もうちょっと、どうにかならんかったか?という所かな?と思います。その西尾の対応とは、最後の上田綺世とヘディングの競り合いの所・・・

・・・では、ありません。その少し前の西尾の対応。

この失点の流れは、

  1.  ジンヒョンからのゴールキック。
  2.  タガート競れず、鹿島:関川に跳ね返される。
  3.  跳ね返ったボールを上田綺世が真ん中でコントロール。
  4.  そこを起点に(セレッソの)右サイドに展開。
  5.  右で縦に持ち込まれて、左に展開される。
  6.  PA内でボールを折り返され、上田綺世に決められる。

このような形でした。僕が西尾にどうにかならんかったか?と言うのは、『3.跳ね返ったボールを上田綺世が真ん中でコントロール 』の所。この『3.』の所で上田綺世に対応したのも、西尾なんですね。

完全に上田綺世に起点を作られた形で、そこから右に振られて、セレッソのブロックが思いっきり下げさせられる形になってしまいました。ブロックを下げられた後、ボールを後ろに落とされて左に展開。前後左右に揺さぶりを掛けられてるんですよね(苦笑)

その全ての始まりが、上田綺世の起点。上田綺世が上手かったと言えばそれまで、ここを西尾に潰して欲しかった

歩夢、西尾とセレッソ期待の若手CBですが、ここの相手FWへのクサビのボールへの対応が緩いシーンを散見してます。

FWへのクサビは、攻撃を仕掛けるタイミングですよね。相手チームのそれは、絶対に潰さないといけない所ですよね。

今回、ゴールキックの跳ね返りでしたが、そこで起点を作られるリスクを考えると、どうにも西尾の対応の緩さが目についてしまいます。

そこの厳しさを西尾(歩夢も)には、もっと出して欲しい。ボールを奪えずとも、相手チームのリズムを崩すことにもなる。日本では上手い時間稼ぎとかでよく使われる言葉ですが、こういうプレーこそ真の『マリーシア』だと思います。

この試合、西尾のカバーリングは完璧でした。それ故に、西尾を評価する上で、本当に勿体ない対応の緩さだったな・・と思います。頑張って欲しい所。

●逆転ゴールを許す

これはもう、不運で片付けたい所ですね。歩夢のスパイクのポイントが上田の靴紐に引っ掛かったらしい(?)ですからね(苦笑) 

そして、難しいとはいえジンヒョン、PK止めて欲しいな・・・(苦笑)

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そんな所で本題。試合後の原川のコメントが、凄まじく的を射てると感じたので、それを取り上げてみます。

合わせてですが、以前の試合で、今回の原川と同じように刺さった奧埜のコメントもあります。そこも、合わせて紹介したいかな?と思います。

[土塔えんじ:いったん、CMです]

原川・奧埜のコメントとセレッソの問題

早速ですが、僕が気になった原川のコメントを載せてみましょうか。

原川のコメント

それが、以下になります。

原川:

点を取った後の試合運びで、人に行けなくなるシーンが多い。ブロックを組んだ状態からどう押し返すかは、チームとして課題かなと思います。

https://www.cerezo.jp/matches/2021-09-26/

セレッソの現状をズバリ指摘してくれているように思います。上で挙げた西尾のクサビの対応なんかも、含まれるのではないかな?と個人的には思います。

そして、もう一つ。

Q. ブロックを組んで下がり過ぎてしまう分、寄せが遅くなる?

原川:

僕は今年から来ているので、去年のやり方はハッキリ分からないですが、去年はそのようなやり方で守っていたと思います。プレスのスイッチがなかなか入らないので、そのスイッチをどこで入れるのか。入れた後に、全体がどう押し返して、ラインを上げていくのか。

https://www.cerezo.jp/matches/2021-09-26/

今のセレッソをマクロでみると、ズバリの指摘ですよね。

ロティーナ時代、もっと言えば、ユンさんの時代から割り切って引いて守るというやり方をセレッソは行っていると思います。それが、チームに染み込んでいるのだろうな・・・と思わされますね。現チームの当事者がこれを指摘するその重み、大きな問題点なんではないかな?と感じます。ブロックで敷いて守るだけになってしまい、反発力がない。

自身のコメントである通り、原川は今年から来た選手。では、この辺りのことを去年から在籍している選手はどう感じているのか? 

そこで、奧埜の登場です。

奧埜のコメント

奧埜のコメントは、2020年10月のロティーナ体制時のものです。

首位フロンターレを追う中での直接対決、ホームで1-3の敗戦。試合後の奧埜のコメントが以下です。

Q. 川崎フロンターレの攻撃で改めて脅威に感じたところは?

奧埜:

数的優位を作りながら、ボールを回してきて、隙が出た時にスピードアップして、最後の崩しをしてくる。ブロックを作っているだけでは守れないのかなと思いました。

https://www.cerezo.jp/matches/2020-10-03/

この通り、奧埜は1年前に前述の原川とほぼ同じ内容の事を指摘してるのですね。この時点で、ロティーナ体制の集大成に入ろうかという時期だったので、当時もこの奧埜のコメントは重いな・・・と思った記憶があります。

ロティーナ・ユンさんの時代、ブロックはとても強固に作られていて、先制すれば大きなアドバンテージになってました。ただ、失点すると反発力もなかったですよね。今日の鹿島のような、どんどん前に出て攻め切るようなパワーはなかったかな?と。

加えてロティーナ体制時は、攻撃に確実性をもたらす名目で『縦に速い攻撃』もほとんどなかった。上手く行かない時は、ボールを大事にするという名目で、後ろにボールを下げることも多かった印象です。今日の鹿島のように、相手ブロックを下げてからボールを落とすのではない、言わば逃げの落し。そうなると、相手の即時奪回プレスの餌食にもなる。

この試合もそうですが、ロティーナ時代、上位チームには軒並み完敗してましたよね。何故か?Fマリノスには勝ってましたが(苦笑)奧埜のコメントを考慮すると、その辺も頷けるところかな?と個人的には感じます。

そして、それは今のセレッソにも当てはまる。

奧埜が言うように『ブロックを作るだけでは守れない』し、原川が言うように『ブロックを組んでからどう押し返すか?』が重要になってくるのかな?と。その辺りの改善が、これからのセレッソを左右するように思います。

主力選手の問題点の解決策。

最後、まとめです。少し前、クルピが退任した時に書いた記事です。

ここの最後のまとめに書いたのですが、僕は今のセレッソは、

過渡期

だと思っています。30歳前後の選手が主力のチーム構成で、違うやり方をするのにもなかなか適応ができない。この辺、若手の台頭を期待したい所ではあります。

そして、この記事を上げた時に、Twitterで色々とやり取りさせてもらったのですが、

キャリアは、味方にも足枷にもなる。

と仰られる方が居て、まさにその通りではないかな?と。普通の会社員とかでもあると思いますが、ベテラン故、思考・経験が蓄積されることで、それが逆に足枷(新しいやり方になかなか適応できない)にもなってしまう・・・という所。

ただ、原川・奧埜と的確にセレッソの問題点を指摘してる選手がいるのも強み。この辺は、経験値豊かな選手ならではかな?と思います。では、どう解決していくか?

小菊セレッソは、良い立ち位置に立って、後ろから組み立てるような試みをしてるのは周知の事実です。ただ、札幌戦を筆頭に、浦和、鹿島戦と、セレッソのビルドアップの立ち上がりを人に対して強く来る狙いを付けてたのは明確。

こうなると、単純に立ち位置だけでは無理ですよね。良い立ち位置に立っても、基本的に相手にマークされてる訳ですから。3人目、4人目と連動すれば良いですが、強いプレスで後ろ向きにされることも多くて、それもなかなか難しい。

また、ジンヒョンがビルドアップに参加した場合、どこか1枚は空くはずですが、ジンヒョンに対してもプレスが速い。解説の言葉を借りるなら『ヘッドアップして、空いている所を見つける時間がない』状態。

では、どうやって解決していくのか?

そんな所で、最後にこの鹿島戦の坂元のコメントを。

坂元:

相手も対策も取ってきますし、2人、3人で潰しに来るので。そこを打開していくために、もちろんチャレンジしないといけない場面もありますが、全部が全部、イチかバチかの仕掛けをしていたらいけない。

・・・

今日は課題になりましたが、サイドチェンジを繰り返していけば、サイドはいずれ空いてくる。そこで自分や乾さんが仕掛けていく形を増やしていけたら。

https://www.cerezo.jp/matches/2021-09-26/

次の試合、サイドチェンジに注目してみましょうか(笑)今日の鹿島の1点目が、理想的ですよね。

鹿島を調べてみた@Supportnik

セレサポ:ひではちさん(@hide_cerezo)が開設されました『Supportnik』で、鹿島を調べてみました。

鹿島は遠いですよね(苦笑)千葉に住んでいた時ですら、遠く感じました(苦笑)良いスタジアムですし、日韓W杯で行ったときは地元の家で車を止めさせて頂いて、おやつを貰ったのが嬉しかったです(笑)

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