【セレッソ】浦和戦:ロティーナの遺産とクルピ・サッカー

セレッソ 1-0 浦和

2021.4.18 @ヤンマースタジアム長居

セレッソ、久々の勝利!!!原川・坂元の負傷から、コロナ禍に苦しめられ、かなりしんどい状況だっただけに久々の勝利は嬉しかったですよね。

ただ、この試合の内容については、各々の心象の持ち方次第で色々と評価の分かれるような試合でしたかね。まあ、概ねマイナス評価な方が多いと思われますが(苦笑)あくまでこのブログでは前向きにとらえるのを前提としてるところがありますので、良かったな~と感じた面を中心に深掘りしていこうかと思います。

そんな所で、試合内容を振り返ります。

[土塔えんじ:ご覧の提供でお送りします]

試合内容

●低調(?)な前半

前半までのスタッツを見ると、シュート数2本。パス本数で言うと、浦和の半分以下。かなり、低調な内容だったということは言えるかと思います。

ただ、僕はTwitter(@dotou_eng)上で、こんなツイートをしてます。

この辺、正直ベースで語ったことです。詳細は後述しますが、あのサッカーでもあまり悲観的にはならなかったのですよね。しっかり、中は守れてた・・・という印象。もう少しよく言えば『ボールを持たせていた』という表現になりますでしょうかね。

●後半開始早々の2枚替え

これは、なかなか驚きましたね。西川潤の交代は考えられましたが、清武まで!!かなり、意外でした。試合後のコメントで、クルピ曰く、

清武は、守備の強度が足りてなかった。

https://www.cerezo.jp/matches/2021-04-18/

という所もあったよう。後半最後の方のプレーで、左サイドハーフに豊川がカバーで入っているシーンもありました。清武、この記事でも触れましたがまだ悩んでいるのか(苦笑)?

交代したセレッソU-18出身コンビ、山田と元彦。良かったですね。山田は、身長もあるし、フィジカルも強かった。FWで見てみたい所ですが、今はとりあえず与えられた場所で輝け!

●浦和、セレッソ、それぞれでPKなし。

これは、どちらかと言うと、最初の丸橋のハンドをスルーしてくれたのは助かりました。それがあったから、小泉選手のハンドもないやろな・・・な感じでした。その後の、ボールを返してくれた浦和のフェアプレー精神は良かったですよね。

●丸橋のゴール!!!

これは嬉しいゴールでしたね!丸橋が取ったというのも、何か良かった(笑)ただ、賞賛したいのは元彦のCKですね。

以前にこんな記事を書きましたが、

難しいファーサイド側を狙い、山田にドンピシャ!!しかも、上の記事で紹介した水沼の高いボールではなく、かなりのスピードで落ちるボール。利き足は違えど、中村俊輔のボールの軌道を思い出しました。やっぱり、元彦のキックは凄いね。

●ヒーローになり損ねた元彦、加藤。

元彦のダイビングヘッド、加藤の終盤でのビッグチャンス。どちらかが追加点を取ってれば・・・(苦笑)。どちらとも、相手のミスに付け込んでの追加点になったので、ダメージも相当大きかったはず。

とりわけ元彦が決めてれば、1点目のほぼアシスト、そして誕生日と相まって、サッカー選手としてのターニングポイントにもなり兼ねないような感じでしたのにね(苦笑)

こういう所を決めきれるかどうか?が、チームにとっての主力選手、強いては象徴となる選手になれるか?という所だと思います。2人には頑張ってもらいたいところ。

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そんな所で本題。前半のプレーを見るにつけて、個人的に去年のロティーナ時代の特徴的な動きを見て取れてました。そして、2013年の良かった頃のクルピ・サッカーも見えてました

今季の課題として、『ロティーナの良い所を踏まえて、より攻撃的に』。この辺について、恐らく無理難題と捉える方も多いことでしょう。ただ、棲み分けさえしっかりできれば、可能な所もあるのでは?とこの試合を見て感じました。

今回、そんなところの個人的に見えたモノを紹介したいと思います。

[土塔えんじ:いったん、CMです]

動かさないセンターバック。

ロティーナ1年目の時に書いた記事です。

今となると、なんだか懐かしいですね(笑)

ここで、僕はロティーナ戦術の特徴的な動きとして、以下のような趣旨を書きました。

セットした守備の時、

2CBは動かさない。

どれだけ、相手がサイドに人数をかけて攻略しようとしてきても、センターバック2枚は常に真ん中を守る。出来る限り、2CBは動かさない。ロティーナ時代、これが徹底されていたと感じてます。

そして、今回の浦和戦。セットした時の守備は、進藤・西尾ともほぼ中央で待ち構えてられていたのではないかな?という気がします。

試合を通じて、センターバックの2人が真ん中から外されたシーンと言うのは、恐らく、丸橋のVAR(ハンドもお咎めなし)につながった直前、西尾が興梠を潰しに行ってかわされたシーン位かと思います。

それ以外は、ペナルティエリア内でのクロスで2本程危ないのもありましたが、どちらかと言えばそれはサイド側の守備の問題。基本的に、真ん中の守備は安定していたのではないかな?と思います。

それ故、前半は本当に安心して見てました。

CBを動かさないために

CBを動かさないようにするため、必然的にその周囲が忙しくなります。とりわけ頑張ってたのが、ボランチ:藤田。左のインサイドレーンを埋めたり、時にはCBの間に落ちたりして、ずっとCBのカバーをしてた印象がありました。

藤田は、本当に色んな所に顔を出してましたよね。試合終了のホイッスルの直後、勝った試合なのに両手を膝に付けて前屈みになってた姿が印象的でした(苦笑)その藤田の姿から、疲労感というか安堵感というか、そういったモノを感じましたね。

本当に戦ってたな~という印象でした。お疲れ様(笑)

ロティーナの遺産?

こういう所、ロティーナ時代の遺産として感じませんでしたでしょうか?あくまで個人的な観点(2CBを動かさない)をピックアップしてですが、そういう風に感じ取りました。

CBをフォローしてたボランチ2人が藤田・奧埜だったので、余計にそう感じるのかも知れません。でも、あの安定感を見ていると、遺産は残っていそうかな?と感じました。

前向きに考え過ぎでしょうか(苦笑)?いやでも、サポはこれ位の方が精神的に良いと感じます。良い方向に捉えていきましょう(笑)

クルピ・サッカーが見えた部分

そして、クルピ・サッカーの方。この試合で見て取れた2シーンで紹介したいかと思います。残念ながら、DAZNのハイライトにないシーン。試合時間を書きますので、興味のある方はフルタイム版を参照ください。

クルピ・サッカーの特徴①: 相手を引き付ける(18分)

こちらは前節の追記した記事での内容です。

ここの記事の中で、僕は以下のようなことを書きました。

相手を引き付けるプレーが重要になってくる

これも、個人的に2013年のクルピ体制時に感じてたクルピ・サッカーの1つの特徴だと思っています。そして、この意識がはっきりと分かるシーンがあります。それが、前半18分のシーン。

ジンヒョンのゴールキックからのプレーで、以下のような流れでした。

  • ジンヒョンのゴールキック → 陸にパス
  • 陸、相手2枚を引き付ける → 藤田にパス
  • 藤田、相手1枚を引き付ける → 陸にリターンパス
  • 陸、相手2枚を引き付ける → 清武にパス
  • 清武、後ろからの敵を切り替えしてかわし、スルーパス。

この組み立て、全て『相手を引き付けて(かわして)からパス』をしてるんですよね。相手を引き付けて、その裏を突くようなプレー。素晴らしい組み立て方でした。

クルピ・サッカーはこれやったな~と、とても懐かしく、良い感覚を思い出しました。

2013年の時は、DFラインからこういうサッカーが出来てたのですよね。相手プレスにひるまないパスワークを、当時はスタメン選手が全て実践していました。康太も山下も。モニさんは・・・でしたが(苦笑)

これを愚直に続けて欲しい!と思います。

余談:このシーンの清武と嘉人。

余談ですが、このシーン。清武のスルーパスを受けたのが奧埜。奧埜は清武とスイッチしてたんですよね。上手い組み立ての仕方。その後、豊川のシュートが相手に当てて攻撃は終了しましたが、その裏で嘉人、清武の動きが秀逸過ぎます。

嘉人はゴール前で完全にフリーになる動き。完全にフリーだったので、攻撃が潰れた時、ニアサイド側で1人嘆いてます(笑)

やはり、嘉人は動きが違いますよね。この動き出しを継続してれば、スタメンも継続されるのは間違いない。チーム全体のビルドアップが整理されれば、更に得点量産が期待できるかな?と思います。

そして、清武。もし豊川がシュートを打たずにスルーしてれば清武がズドン!という所まで、清武は走りこんでました。清武は、前述の起点のスルーパスを自陣PAすぐ外で出してたんですよね。それで、クロスが上がるタイミングには相手PA内まで上がってきてる

清武の攻撃時に前線に絡む動きは、今季、本当に凄いです。今回は前半で退きましたが、清武の自由とその制限、ここも整理されれば今後、大きな武器になってくると感じてます。

クルピ・サッカーの特徴②:  ボールを下げない(77分)

はっきりと特徴的という訳ではなかったですが、選手から感じたプレー意図で、もう一つクルピサッカーっぽいな~と思うシーンがありました。後半77分になろうかとした時の西尾のパスの選択です。

このシーン、左サイドのオープンスペースにボールが出て、西尾がカバーに入ります。興梠が後ろからチェックに来ていて、西尾は後ろ向きでプレー。ジンヒョンがカバーに入ろうという動きをしていたので、本来であればジンヒョンへのバックパスがセオリー。

でも、西尾は相手プレスの間を通す必要のあった奧埜へのパスを選択。これ、何気にシビれました(笑)ジンヒョンにプレスに行こうとしてたい武藤を、完全に出し抜いてます。

そうそう、こういうのもクルピ・サッカーの特徴的なシーンだな~と思い出しました。

クルピ・サッカーの良かったころは、上の相手を引き付けるという所の延長線になりますが、

GKへのバックパスは極力しない。

というところを当時感じてました。

これも、前節に書いた記事を引用させてもらいますと、

ファールを受けると試合は止まるので、『相手に帰陣する時間を与えてしまう』という所。これ、このGKへのバックパスにも同じことが言えるのだと思うのですね。

GKへバックパスしている間に、

相手は帰陣してしまう

だから、GKへのバックパスは極力避ける。

当時のクルピ・サッカーについて感じていたことを、この西尾のパスの選択を見て思い出しました。このパス、この試合で何気に1番シビれたかもしれません(笑)それほど、個人的には喜ばしいパスでした。

クルピ・サッカーは前進しているか?

前節:徳島戦の試合後のコメントで、クルピは以下のようなことを言ってました。

選手たちの力を考えれば、もっともっと内容のあるサッカーができるはず

https://www.cerezo.jp/matches/2021-04-14/

前節にこのコメントがあった上で、今節の前述のようなクルピ・サッカーらしいと感じたプレーが垣間見えた事。これの意味する所は?

選手はこれまでの試合内容を反省出来てるんではないかな?ということを感じてます。あくまで、選手メインのサッカーであるなら、選手自身が変えようとしているという所。賛否あるかと思いますが、クルピ・サッカーではそれが正解だと思います。

クルピも選手が出来ると信じているから、上のようなコメントが出る。そして、選手はそれに応えようと変化を見せてくれました。チーム内部の事は見えないですが、信頼関係は築けてるんではないかな?と思います。

浦和戦をトータルで見ると、確かに乏しい試合内容だったのは間違いがありません。でも、局面で切り取れば光るプレーが垣間見えたのも間違いないと感じてます。もう少し整理されてくれば・・・と感じます。

光るプレーがあった事から前進していると信じ、応援していきたいなと思います。個人的には、選手の小さい変化も見逃さずに楽しんで行ければな・・・と思います。

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