【セレッソ】湘南戦:雨天時に必要な選手。
セレッソ 0-0 湘南ベルマーレ
2021.3.21 @レモンガススタジアム平塚
これは、もう仕方のない引き分け。妥当な結果。
僕はBSで見てましたが、解説の森岡隆三氏曰く、『雨はともかく、強風はやってる選手にとっては嫌』とのこと。セレッソは、本当に風に悩まされてた印象でした。
見どころも少ないのですが、試合内容を振り返ります。
[土塔えんじ:ご覧の提供でお送りします]
試合内容
●セレッソの『間』を攻めてくる湘南
中継で拾われる音声で、湘南サイドはしきりに『間、間!』と声掛けされてました。セレッソのチーム自体が前かかり気味だったのもあってか、坂元・清武が戻り切る前(前残りさせ気味?)に縦の速い展開からサイドを狙われてた印象でした。
前半6分位のセレッソ左サイドを攻略されて、中で合わせられたのはヒヤリとしましたね。それ以外は、終始押され気味な印象でしたが、ジンヒョン・歩夢・西尾中心に、落ち着いた守備を見せていたのではないかな?と思います。押されているものの、崩されたという印象はなかったですね。
●繋げる?前に出す?はっきりしなかったセレッソ。
それに対して、セレッソ。前半は風下だった影響もあって、押されまくってました。湘南のプレスも強かったのもあって、前に出すのか?繋げるのか?がいまいち判断がハッキリしなかった印象でした。先週の横浜FC戦は上手く使い分けられてたのですが、やっぱり強風の影響でしたかね。
それでも、豊川のポストに当たったシュート!前半は、風下ということで、もっとこういうボールを狙って良かったんでは?という気がしました。
後半も、風上に立ったものの上手く活かせず、前半と展開は変わらず。試合終盤は、強風な上で雨も強まって、サッカーではなくなってしまいましたね。かなり良いプレーを連発してた原川が怪我した時点(代表も辞退。心配ですね・・・)で、個人的には試合終了と言った感じでした。
試合後にクルピも言ってましたが、妥当なドローだったような気がします。
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こういう悪コンディションでは、はっきりと“フィジカルの強さ”がモノを言いますね。そういう意味で、走力のある湘南に分があり、押し込まれる展開も読めた展開と言えばそうでした。
こういう試合を見ると、個人的に思いだすのが、クルピ2期目の時代。個人的な見立てですが、この当時、クルピが雨天時の試合に必ずと言っていいほど使ってた選手が居てました。
今日の試合を見てても、『〇〇のような選手が居ればな・・・』と個人的には感じてました。今回、『雨天時に必要な選手』という視点で掘り下げてみます。
2期クルピ政権の雨天時に活躍した選手
先に答えを書いておきましょうか。その選手とは、
小松 塁
です。どうでしょう、印象ないでしょうか(笑)?僕は、本当に雨天時に強い印象があった選手です。
小松塁の特徴
当時からセレサポの方はよくご存じかと思いますが、少し小松塁を振り返ります。塁の特徴として、以下のような事が挙げられます。
- 高身長(190cm/79kg:Wikipediaより)
- 高身長なのにドリブラー
- 高身長なのにポストプレーは苦手
- 高身長なのに、そこまでヘディングも得意ではない
高さより足元。190cmあるのに、ドリブルで相手を抜いていくプレーが凄かった。香川と同期入団で、陰に隠れがちでしたが、一時期はエース的な存在感を放ってた選手。多くのゴールを決めてくれましたが、ヘディングよりかは足元で獲ったゴールが多かった印象です。
また、相手を背負って行うポストプレーは苦手なようで、高身長でしたが一般的なイメージとは違ったプレーでかなり面白い選手でしたよね。
ドリブラーであるので、どちらかと言うと雨のピッチコンディションの悪い試合では、相性悪いイメージありますよね?それでも、クルピは雨の試合になると、必ず塁を使ってたんですよね(僕の記憶の範囲内ですが(苦笑))。
その辺り、塁がどのように雨の試合で使われてたか?という所を振り返ります。
[土塔えんじ:いったん、CMです]
雨天時のクルピの塁の使い方
当然ながら塁はFWですので、クルピは最前線に配置します。まあ、普通ですよね。そして、塁をターゲットにしたロングボールを多用します。
・・・いやいや、ちょっと待て。
少し前に、ポストプレーは苦手と書いたではないか?と。そう思われた方もおられるかと思います。当時、僕もそう思ってました。塁に当てても、繋がらないのではないか?
でも、雨天時を数試合観察していて、その塁に当てるボールから面白い事象が起こってました。それこそが、クルピの狙いなんだな~と、数試合を見てようやく理解できました。その辺を次に書いていきます。
相手CBの対処
塁に対するロングボールに対して、相手CBは当然、跳ね返そうとしますよね。塁に競りに行きます。
ここで面白い事象を見てました。
相手CBが、しっかりと塁に競り掛けられないシーンが散見されました。そして、塁もボールはキープできないものの、相手CBに自由にさせない。結果、相手にとって嫌な所にボールがこぼれたりしてたんですよね。ルーズボールになったところを、香川や乾がかっさらってたような感じです。
雨の日のピッチコンディションが悪い試合というのは、相手CBにとっても足元が悪くて踏ん張りが効かない。それ故に、晴れの日ほど高くは飛べないし強く当たりにも行けない。それを見越して、身長190cmの塁をそこに当てる。
そうすることで、こちらのロングボールを相手CBにしっかりクリアさせない状況を作っていたのかな?と思います。CB付近でボールがルーズになるのは、相手にとっても嫌なことですからね。
多分、こういう狙いをクルピは持ってたのではないかな?と当時の僕は理解してました。そこに、ポストプレーが苦手という概念は全く関係なく、単純な『高さ』というフィジカル要素を求めて、クルピは塁を投入してた節が強かったんですよね。塁自身は、ほとんどボールに絡んでないのにその存在がとても効いてるな~と当時は感じてました。
雨の日は必然的に偶発的なプレーも増えますが、その偶発的なプレーを意図的に誘発させてよう・・・そんなクルピの思考を感じてました。こういう細かいクルピの狙いは、当時のクルピ采配から至る所で感じていて、本当に面白いな~と思ってました。
ハーフタイムからの加藤投入の意味
今日の試合、珍しくハーフタイムでクルピは動きましたよね。そこで出てきた1人が、加藤陸次樹でした。
このクルピにしては早い時間帯での交代劇。実は、クルピは上記の塁の役割を加藤に期待したのではないかな?と思ってます。風上にも立つので、あくまで狙いの1つとしてですが、早めに投入した・・という所。
FWの身長では、豊川(171cm)、大久保(170cm)より、加藤 (178cm)の方が高いですからね。西川(180cm)という手もあったと思うのですが、現時点でクルピの信用度は加藤の方が上でしょうしね。加藤に当てて、高木・清武・坂元の3枚で拾う狙い。
ただ、加藤でも塁に比べると高さが足りない。そういう所で、塁の時のような効果は薄い印象でした。加藤も頑張ってたかな?と思いますが。
加藤に否はないのですが、そういう意味で駒が足りない印象の試合でもありました。
余談:フィジカルの3要素
ちなみに、FC東京戦のレヴューです。
この記事で、僕が定義するフィジカルの強さの3要素を書きましたが、『重さ』に続く『高さ』について・・・という事に今回の記事はなります。
今回の冒頭にも書きましたが、こういうコンディションの悪い試合は、『フィジカルの強さ』がモノを言う所があると思います。今日の試合も、セレッソと湘南とで、ジンヒョン以外に外国籍の選手は出場していません。そういう意味で、高さ・重さに差はなかったのかと思います。
が、最後の『筋力の強さ』という部分が走力の強い湘南に上回られて、押されてた印象でした。フィジカルの強さも、やはり重要ですよね。
外国籍選手が加入してきてどうなるか?
ようやく、外国籍の選手が来日できる状況になりそうですよね。
オフェンスの高さと言う意味では、やはり、アダム・タガート(183cm)待ちなのかなという気もしてます。彼がどこまで出来るか?というのは不透明な部分もありますが、単純な高さというモノには今のオフェンス陣ではNo.1になりますしね。
ディフェンスにおいては、歩夢・西尾は今日は完璧でしたね。ここも、チアゴが入ってくるでしょうので、競争は見もの。更にパワーアップしてもらいたいモノです。
ようやっと、駒が揃いつつあるセレッソ。今後も、しっかりとチーム内の競争も見ていきたいなと思います。