【セレッソ】大分戦:西尾隆矢の活躍の裏にあるモノ。

セレッソ 1-0 大分

2021.3.17 @ヤンマースタジアム長居

ジリジリとした試合展開での勝利!!!これは大きいですね~。

正直ベースで語ると、引き分けかな?と感じ始めた試合展開。そんな中で、勝利をもぎ取ったのには価値があるな~と思います。レヴィー・セレッソは、良くも悪くも最後まで試合が読めない。それ故にヒヤヒヤもしますが(苦笑)、得るモノもまた大きいような気がします。

そんな所で、簡単に試合を振り返ります。

[土塔えんじ:ご覧の提供でお送りします]

試合内容

●坂元の一閃!!!!

この坂元のシュートが出る10分程前に、僕は独り言をつぶやいてました。

こういう、しんどい試合で、

決めるのがエーズやぞ!坂元!

こういう試合でゴールを決めてきたのが、過去で言えば、モリシやアキ。そして、香川や曜一朗。セレッソでエースと呼ばれてきた選手達、今日のプレーっぷりから坂元にこういった選手の姿を見た気がしました。その上でのゴール!!!

このゴール以外でも、坂元は無駄なボールロストをほぼしてないのではないかな?と思います。正確に数えてた訳ではないですが、 仕掛けた時以外にロストしたシーンはなかったかと。いやぁ、本当に頼もしい!!

僕はDAZN観戦でよく分かりませんでしたが、スタジアムDJ:西川くん、ゴールの時に声が裏返ってましたよね(苦笑)?プロの声を裏返させてしまう位、興奮するゴールでした!

(急遽、追記。坂元、初代表おめでとう!!!原川もおめでとう!!!)

そして、このゴールシーンでもう一人褒めたいのが松田陸。直前に清武のクロスを競りにいっていたのが陸なんですが、インナーラップしてましたね。

しかも、あの時間帯でサイドバックがあのポジションで競りに行ってるのもまたエグいな~と感じました。今年のセレッソの右サイドは一味違いますね。

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普段のこのブログでは、ゴールシーン中心に試合展開を振り返りますが、この1点だけ(苦笑)見所で言うと、本当に少ない試合でした。それだけ、大分の狙いにハマってた印象でした。

そんな中、ポスト直撃の危ないシーンがあったものの零封したDF陣。今回は、現在、絶賛売り出し中の西尾隆矢の活躍に注目してみます。

西尾隆矢のプレーっぷりと個人的評価

本当に、西尾は安定してますよね。最初の1-2戦は少し怪しい所もありましたが、良い意味で慣れが出てきてプレーに余裕が感じられます。

元々、U-23の時から足元は安定してたので、個人的に驚きはないのですが、パスワークも積極性が出てきて、FWに付ける速いボールとかも入れられるようになっています。DFラインで、パスの出し所が歩夢以外にもあるのは本当に心強い。

そして、本来の役割の守備面でも、相手センターFWを積極的に潰しに行って自由にプレーさせてないのがとても良いです。このまま続けていって欲しい。

それだけの活躍をしているとは思いますが、最近では東京オリンピックの隠し玉的な扱いでネット記事でも紹介されたりしました。本当に評価は、うなぎのぼりですよね。Twitter のセレサポさんのツイートとか見ても、とても好感を持たれているのを感じます。

ただ・・・僕個人的な西尾の評価は、実は据え置きの状態です。西尾が活躍してるのは理解していますが、現在の西尾のプレーから見えてない部分がある為です。

そんな所で、西尾のプレーから見えてないものとは?言い換えると、何故、見えてないのか?という視点で少し深掘りします。

西尾の活躍の裏にあるモノ

先述しましたが、西尾の特徴的なプレーとして、

相手センターFWを積極的に潰しに行って、自由にプレーさせてない

という所はあるかと思います。

  • 柏戦:クリスティアーノ
  • 清水戦:チアゴ・サンタナ
  • 横浜FC戦:クレーベ
  • 大分戦:伊佐

相手1トップの選手を見事に抑え込んでますね。西尾の1vs1の強さという所に異論はありません。

ただ、その西尾の1vs1の状況はどうやって生まれているか?と言う視点で考える必要はあるかな?と感じています。どうやって生まれているか?を考えると、裏で活躍しているものが見えてきます。これぞ、クルピ・サッカー!と言えるのかな?とも思います。

では、その状況がどうやって生まれるのか?

その前段階として、一般論としてのサッカーの守備のセオリーを考えます。

サッカーの守備のセオリー

昨年までのロティーナさんの影響で、戦術とかシステム論とかで目が肥えた方も多いと思います。色々な守備のやり方がありますが、サッカーの守備のセオリーとして、以下のようなことは共通してあるかと思います。

相手オフェンスの枚数に対して、

ディフェンスは1枚余らせる

相手オフェンスが4人なら、ディフェンスは5人。相手が6人なら、7人で守る。一般的な考え方ですよね。要は、守備側は1人多い状態にして、数的優位を保とうとする考え方。

この考え方が、実は西尾の活躍にかなり寄与していると考えてます。

答えを書いていきましょう。西尾の活躍の裏にあるモノ・・・それは、西尾の後ろでカバーをしてる、、

瀬古歩夢の存在

、、、ではなく(苦笑)

いや、勿論ですが、歩夢も西尾の活躍に寄与してます。が、それだと最初に定義した『西尾の1vs1の状況はどうやって生まれているか?』の答えにはなってないですよね(苦笑)。

もったいぶりましたw 西尾の活躍の裏にあるモノは、

セレッソが攻撃にかける人数

ということになります。

これだけでは、さすがに意味不明だと思いますので、次に説明していきます。

[土塔えんじ:いったん、CMです]

西尾の守備負担を数値する。

少し表なんかを作ってみました。

この表の意味するところは、


左2列: 

セレッソの攻撃(OF)人数に対して、相手DFの人数。


そこから、攻守を入れ替わったとして、

右3列:

相手OFの人数に対して、セレッソDFの人数。

最後の列は、

西尾の守備負担( = (相手OF人数)÷(セレッソDF人数))

という所です。もうちょっと、簡単に説明すると、セレッソが攻撃の枚数を増やせば表の下に行く。相手が攻勢になれば、表の上に行くようなイメージです。

西尾の守備負担は、(相手OFの人数)を(セレッソのDFの人数)で割った数値。DFが1人余らせる想定で、『DF1人当たり、相手OFの何人をチェックしないといけないか?』と言う所を単純計算で数値化したものです。無論、そんなに単純ではないですが、 あくまで目安ということでご了承をお願いします。

この表と、現在のセレッソの戦い方を見比べてみて、何か見えてくるものはありますでしょうか?

セレッソの攻撃性から来る西尾の守備負担の軽減

今回の大分戦含め、セレッソは3連勝中です。前節の横浜FC戦が顕著ですが、その試合のほとんどで、セレッソは攻めの姿勢を貫いていたのではないか?と感じてます。

色々と前置きが長くなったので、もう1回、同じ表を貼ります。

この表に対して、3連勝した試合、セレッソは攻めの姿勢を貫いて(或いは、大分のように戦術上引き気味だった為)、オレンジ色に塗った行の所(赤枠)でサッカーをしていたように感じてます。

そうなってくると、西尾の守備負担、相手OFを見る人数が減ります。仮に、1番下の段:セレッソが8人で攻めた場合、相手DFは一人余らせて9人。そこから、攻守入れ替われると、相手OFは1人でセレッソDFは2人(内1人が西尾)。

ここでの、西尾の負担は、0.50(=1人(相手OF)÷2人(セレッソDF))と言う数値になります。チェックしないといけない相手OFの人数が、0.5人ということ。もう少し詳細に言えば、1人がチェックにいっても残りの1人がフリーでカバーに行ける体制が整っている、ということ。

それは、イコール、

攻撃に厚みを持たせる事で、
西尾が1vs1に集中できる環境を生んでいる

という事が言えるかと思います。相手OFが少なければ少ないほど、DF1人当たりのチェックする人数が減る。そうなると、西尾も1vs1を仕掛けやすい。

西尾の活躍の裏で、攻撃陣の奮闘があるとも言い換えられるかと思います。

ただ、攻撃に枚数をかけると、その分、後ろに広大なスペースは生まれるのですけどね(苦笑)ただ、経験値の浅い西尾にとって、1vs1で集中しやすい環境の方がやり易いのでは?とも思っています。

そして、クルピ・サッカーの前提は以下でも書きましたが、『1vs1で勝つこと』 なんですよね。

1vs1で勝てば、スペースが空いてようと関係なくなってくるんだと思います。ある意味、クルピ・サッカーの真骨頂だな~と思います。

西尾のプレーで見えてないモノ。

この表で、反対に言うと、『西尾のプレーで見えてないもの』も顕在化してきます。それが、表で言う所の上の緑のゾーン(下の赤枠)での西尾のプレーです。

つまり、『セレッソが守勢になってる状況の西尾の対応』ですよね。この表で言う、一番上の行とかだと、西尾の守備負担(チェックする相手OFの人数)は0.88。カバーに行く人がいるとしても、一番下の0.5の時と違って、西尾だけのカバーに集中すれば良い・・・と言う訳ではなくなるんですよね。

守備に人数が掛かってる状態、つまり相手が攻勢をかけている時は、『マークの受け渡し』が生まれてきます。まして、CBはフィールドプレーヤーでは最後尾で、フィールド全体を見ないといけないポジション。『危険なエリアを見つけて味方に指示する』という事もしないといけない。

つまり、単純な1vs1だけに集中するだけではダメという状況になります。現時点では、セレッソは攻勢に出てる時間が多いので、この守勢に回った時の西尾のプレーをあまり見てないのですよね。

今季で言うと、川崎戦の後半がそれに近いイメージですかね。その結果は・・・(苦笑)まあ、この時は、J1のスピードに慣れてなかった上に、川崎相手というのもあったんだろうと個人的には考えておりますが、やはり不安に感じるのも正直なところです。

セレッソの攻撃が上手く行っている間は、恐らく西尾で問題はない。ただ、セレッソの守勢に回った時の、西尾のプレーが現状で不透明。個人的にはそう考えて、西尾の評価は据え置きとしております。

攻守は表裏一体

西尾の活躍に水を差すような内容になってしまい恐縮ですが、あくまで西尾に期待してるからこその辛口評価と捉えて頂ければ有難いです。

でも、当然ながら、西尾はやってくれる!と信じておりますし、全力で応援してます。ここをクリアしてくれれば、何の問題も無くなってくるし、それこそ東京オリンピックも見えてくると思います(やるのかどうかは別としてw)。

ただ、個人的には西尾の考察をしてくると、サッカーは改めて面白いな~と感じます。

サッカーの攻守は表裏一体。その性質を利用して、クルピは経験の浅い西尾を戦術的にうまく使っていると考えてます。1vs1の強い西尾に、1vs1に集中させる環境を作る。これ程、単純明快なことはないですよね。クルピが見出している、1つの最適解とも言えるかと。

西尾もこのサッカーで成功体験を積んでいけば、自信がついて、守勢に回った時も落ち着いて対応できる可能性も出てくると思ってます。それこそ、西尾の成長、クルピの育成ですよね。戦術やシステム論を学ぶことは当たり前として、プロとしての結果を出すこと(=責任を果すこと)以外に成長はないと思っているので、クルピのやり方に個人的には賛同してます。

反対に、もう禁句になるかもしれませんが(苦笑)ロティーナが監督だった場合、2年目の西尾は使われてたのかな?と思ったりもします。まず、クルピのような起用はしないでしょうからね。

そういう意味でも、西尾にとっても絶好のチャンスを活かせてるな~と感じたり。そこも、表裏一体ですね。何れにしろ、西尾の今後の活躍に期待しています。

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