【セレッソ】浦和戦:冨安にあって西尾にない要素

セレッソ 0-2 浦和

2021.9.18 @埼玉スタジアム2002

こんな事なら、台風で延期になって欲しかった・・・(苦笑)

ちなみに、私事で恐縮ですが、最近リアルタイム観戦が出来てないです。と言うのも、僕にはもうすぐ5歳の子供が居るのですが、僕がサッカー観戦に夢中になってると、

おとうさんをサッカーに取られてる!!

となるようで、息子がサッカー嫌いになりかねない状態で(苦笑)

だもんで、この試合のオンタイムは、息子と折り紙の手裏剣で遊んでましたw

今は息子の集中が続かず難しいですが、将来的に家族でスタジアム観戦をしたいと思ってます。その為、息子がサッカー嫌いにならないよう、今はリアルタイム観戦を我慢しようかと思ってます(苦笑)

ここの所のレヴュー記事は、試合終了直後その熱をそのままに書いていましたが、今後、少しアップが遅れる形になるかも知れません。すみません。ただ、書いて行こうとは思っていますので、また宜しければ。

そんな所で(どんな所で?w)、浦和戦を振り返っていきます(笑)

[土塔えんじ:ご覧の提供でお送りします]

試合内容・雑感

●疲れるよね。

小菊さんの試合後のコメントをそのまま受け取り、

選手は疲れてるんだろうな・・・

というのが読み取れる試合だったかな?と思います。

8月15日(アウェイ福岡戦)から9月15日(ACL浦項戦)まで、1ヶ月間で10試合で、この試合が11試合目。そのほとんどが、中2日の超過密日程。そら、疲れる。4-0で葬り去ったルヴァンのアウェイ:吹田戦、あの時の吹田は21連戦目だったそう。あの吹田をイメージすれば、その半分とはいえ、セレッソの置かれてる状況は理解できるかな?と思います。

何より、ACLが絡むと日程が過密になり、その年のリーグ戦の成績は落ちるのは周知の事実。一部の選手層が凄いチームを除きますが、この事はセレッソに限らず、多くのチームにも当てはまることです。ざっと例を挙げても、

  • セレッソ 2011年(リーグ12位)
  • セレッソ 2014年(リーグ17位 J2降格)
  • セレッソ 2018年(リーグ7位)
  • 柏 2018年(リーグ17位 J2降格)
  • 浦和 2019年(リーグ14位(ACL準優勝))
  • 神戸 2020年(リーグ14位(ACLベスト4))

浦和ですら、ACLで準優勝の年のリーグ戦は14位でしたからね(苦笑)

毎年、ACLに出ているようなチームは違ってきますが、セレッソのように単発で参加になるようなチームでは、このハードな日程を乗り切る方法論が確立できていない、というのはデータが示している所です。

多くのセレサポさんがツイートしてる通り、今年は残留できれば御の字かな?という気がしますね。当然ですが、より上位は狙って欲しいですが、なかなか多くを望めない状況ではあるかな?と思います。そう思うと、この11連戦5勝6敗という成績もそこまで悪くないとも感じたりしてます。

ってか、これは試合内容のレヴューではないですね(苦笑)でも、セレッソの置かれてる状況はよく把握しておいた方が良いかな?と思いましたので、まず最初に書いておきました。

●1失点目 

この失点、加藤がプレスのスイッチを入れた後チームとしての狙いがよく分からなかったかな?と思います。

多分、乾が左のサイドハーフとしてボックスを埋めないといけないと思うのですが、乾は加藤のプレスに連動して浦和の右CBにプレスに行く準備をしていた。それはそれで、乾の動きも理解はできます。ただ、その乾の裏を突かれた形になったのですが、そのエリアを見るのは本来、誰が行くべきだったのか?という所。

スルーパスを入れられる直前の配置

この時、丸橋は大外の浦和の2番:酒井宏樹を見てたんですね。だから、丸橋が行ってしまうと酒井宏樹がフリーになり、そこにボールを回されてクロスを上げられて・・・結果は同じような形になっていたと思います。

そうなると、

  • やっぱり乾がプレスを自重してボックスを埋める
  • 奧埜が乾が前に出るのに合わせてスライドを速くすべきだった

の何れかだったとは思います。この辺、加藤がスイッチを入れた時の意思統一が出来てなかったかな?という印象。また、乾がプレスに行くそぶりを見て、ボールを貰いに降りた41番:関根が上手かったかな?という見方もできるかと思います。

後、西尾の所もエラーがあると思ってますが、ここは後述します。

●2失点目:

これは、まず油断でしょうね。陸が髪触ってて(苦笑)こういう所にも、何か疲れで集中を欠いているのかな?と

また、ここも後述するのですが、西尾の対応も、もう少し頑張って欲しかったかな?・・・という所です。

●浦和のジンヒョン対策

何度かこのブログで書いているのですが、Jリーグは『出る杭は打たれるリーグ』と思ってます。

日本人の良い意味で『言われたことを愚直に実行する』従順さから、作戦遂行能力の高いチームが多い。上位チーム、好調なチームは対策を立てられて失速し易く、毎年のように優勝チームが変わる・・という理屈から。

就任時、好調だった小菊セレッソ。個人的な見立てを以下の記事で書いたのですが、

交代当初の好調さは、

ジンヒョンがビルドアップに参加しているから

という所でした。

そして、この試合、浦和はこの対策をしてきてましたよね。個人的に、ちょっとしか出てない杭を打たれたような気分でした(苦笑)

この試合の浦和の選手、常にジンヒョンにも猛プレスを仕掛けてました。後半開始早々の、ジンヒョンのミスパス(関根のシュートミスで枠外に逸れる)がまさにその典型でした。

今のセレッソは、ジンヒョンの起点を潰されるとビルドアップがままならなかったです。そこは、大いに反省すべき点かと。

ただ、見方を変えると、ジンヒョンがプレスを受けるという事は、セレッソの選手1-2人はフリーになってたはずなんですね。そのリスクを負って、浦和はジンヒョンにプレスを掛けていた・・・という事になります。

札幌戦のレヴューでも書きましたが、どこかでリスクの負う考え方、セレッソも見直してもらいたいです。

●ファール数 浦和:19

以前に書いた記事なのですが、セレッソの好調・不調を示すバロメータとして被ファール数を目安として挙げました。

ここの記事で書いた趣旨は、

相手のファールで試合の流れを切られると、セレッソの攻撃は止まり、相手は帰陣できる。故に、速い攻撃を仕掛ける事が出来ない。

という所。

昨今の流行で、『ポジショナル・プレー』とか『5レーン理論』とか叫ばれますが、特に5レーン理論で言う所の狙いは、

  • ボール保持時に前線に人を5-6人並べて、相手ブロックを横に広げる。そして、広げたスペースを突いて攻撃する。
  • ボールを失った場合、攻撃に割いた5-6人が直ぐに前線プレスを行い、即時奪回を狙う。この際、ファールで止めてもOK。

ざっくりと言うとこのような狙い。

上の記事でタイトルに『アンチテーゼ』と書いたように、個人的にこの昨今の風潮が気に入りません(苦笑)前半は良いのですが、後半の部分ですね。『ファールで止めてもOK』という所。

前線でのファールになるので、ファールを犯す場所は敵陣内。それ故、失点につながるようなファールとは見なされず、イエローを貰うリスクはかなり低い。その上で、味方が帰陣できる時間を作れるローリスク・ハイリターンで旨味がありありなやり方ではあると思うのですが、正直、サッカーとしてどうなんだろう?と思います。

この試合、浦和のファールは19。個人的な印象ですが、即時奪回を狙う所でのファールがほとんどだったと思います。

前半開始早々に、乾が足を蹴り上げられて悶絶したファールを見ました?あれも、即時奪回を狙ってのモノでしたが、乾はしばらく起き上がれませんでした。それでもノーファール判定。これは、セレッソ陣内で行われたものでしたが、仮に浦和陣内深くであれば、間違いなくイエローは出るようなファールでしたよね。

ハリルホジッチが代表監督を務めた頃位から、Jリーグでもデュエルが謳われるようになったこともあり、敵陣であれば、激しいと勘違いした悪質なファールもまかり通る印象なんです。乾の足を蹴り上げた41番にイエローも出なければファールも取られないのは、本当に納得がいかない。

また、ファールが多いと、アクチュアルプレーイングタイムもどんどん短くなってきます。こういう所、サッカーの本質的な楽しみ方をおろそかにされてるような気がして、本当ににもどかしく感じてます。

まあ、上で挙げた記事でも書いたのですが、負けたチームのサポが言うと負け惜しみでしかないですが(苦笑)それでも、1サッカーファンとして申したい所ではあります。

=================

そんな所で、本題。

セレッソ期待の若手:西尾隆矢、そして、日本の期待:冨安健洋を比較してみます。残念ながら・・・というか、彼ら2人の立ち位置そのままに、実力差があるだろうというのは理解できるかと思います。

そして、この試合で個人的に2人を見てて、明確に差を感じた所がありました。それを深掘りして行こうと思います。

[土塔えんじ:いったん、CMです]

冨安を見てて一番驚いたシーン

西尾と冨安、期待度の大きさ的には違いますが、センターバックとして期待したい若手選手。その2人を比較する上で、まずは『冨安の凄さ』という所を紹介していこうと思います。

今年の初め頃か、昨年の終わり頃の日本代表の試合だったと思います。その試合での1シーンを紹介するのですが、個人的にとても驚かされたシーンでした。

冨安の個人的な評価(以前)

その試合のそのシーンを見るまで、冨安の個人的な評価は、

対人守備、ボールコントロールとか凄いが、オフサイドラインにギャップを作る選手

と言うようなものでした。

冨安を見てて、以下のような形になってるのをよく見てたんです。

オフサイドラインにギャップを生む?冨安のポジショニング

代表の試合は、セレッソ程、集中してみてないので分からないですが、オフサイドラインは吉田が決めてるんだと思うんですね。吉田の素振りからして。

ただ、テレビに映る冨安は、吉田より後ろになってることが多く散見してました。特に、相手の後方からロビングを入れられる時に。冨安がオフサイドラインを決めてる可能性もあるので何とも言えないですが、冨安がこういうポジショニングでは吉田の裏は相手からすると狙い目。オフサイドラインに、冨安がギャップを作ってるという形になります。

そして、僕が冨安に驚かされたシーンを次に説明していきます。

驚かされたシーンと冨安の特徴

その試合のそのシーンも、同じような形でした。相手のDFラインから、冨安がマークしている相手FWへの山なりのボールを入れた時のことです。

最初、相手DFがボールを蹴った際、冨安の姿はテレビ画面では確認できてませんでした。蹴られたボールが前線に行くにつれて、冨安はテレビ画面に入り込んできました。画面に映り込んだ際、冨安は上の画像で挙げた通りで、オフサイドラインにギャップを作ってる形でした。

テレビに入ってきたタイミングでの冨安の位置取り

この時、その相手のロビングを、冨安は難なく跳ね返します。『あー、流石は冨安。ギャップ作ってたけど、そこは強いよね~』とか思った矢先でした。

(審判の笛)ピピーーー!!

オフサイド!!

・・・この時、正直、何が起こったのかが分かりませんでした。

相手のロビングに対して、テレビに映った時点での冨安は相手FWより明らかに後ろに居ました。上の図でも上げた通り、冨安が後ろにいるので、相手FWはオフサイドではないように見受けました。ただ、それでもそのFWがオフサイドだとレフリーは判定したのです。

このシーンから言えることは、

冨安はバックステップが異常に速い

という事になります。

時系列で言うと、相手DFがロビングを入れる(冨安はテレビに映ってなかった)時点で、冨安はオフサイドラインを守っていた

相手DFがロビングを入れる時点

ロビングが届くまでの間、冨安はバックステップ(テレビに映ってないのでそう思われる)で相手FW後ろまで下がる。

そのロビングを届いた(テレビに映り込んだ)時点で、冨安は相手FWより後ろに位置取りしている。

ロビングが届いた時点

テレビに映り込む前の冨安の動きは、見えてないのであくまで想像です。

ただ、相手FWがオフサイドになったことを考えると、冨安がオフサイドラインからそこまでバックステップを踏んだとしか考えられません。そう考えると、ロビングが山なりのボールだったとは言え、冨安のバックステップの速さ・・・えげつないなと(笑)

この時、前述の僕の冨安の評価『対人守備、ボールコントロールとか凄いが、オフサイドラインにギャップを作る選手』は、完全に覆されてしまいました(苦笑)今や、僕の中では完璧超人ですw マスクでもなんでも剥がしてくださいw

=================

そんなネプチューンマン:冨安健洋の後、登場するのが、我らが西尾隆矢

・・・・ごめんなさい。西尾さん。

自分で書いてて何ですが、ここまで書いてきて、冨安の凄さを再確認してしまってw まだ、荷が重過ぎだったかも知れません(苦笑)が、ここは西尾の成長を期待して、あえて心を鬼にして書いて行こうかと思います。

バックステップが怪しかった西尾

この試合・・・えーっと、0-2で負けた浦和戦の事です(苦笑)

この試合、2点とも浦和が上手かったという見方も出来ます。そして、前述の通り、連戦の疲れもあると思います。それでも、西尾、もうちょっと何とかならんかったか?という所があったので、その辺を。

1失点目:

1失点目、浦和41番:関根にボールが入った時点で、西尾の戻りが遅れてるのが分かります。歩夢より明らかに1テンポずれて、西尾が戻り始めるのが分かります。

西尾の戻りが遅くて、ギャップを生んでしまってます。結果的に、そこがパスコースとして開いてしまっている感じ。西尾が歩夢と同じタイミングで戻れてればそのパスコースは西尾が防げてたかも?・・・と感じます。

当然ながら、上の試合内容・雑感で挙げた通り、まず『加藤がプレスのスイッチを入れた後チームとしての狙いがよく分からなかった 』という所があります。その狙いがしっかりできていれば、西尾(DFライン)の戻りは不必要だったとも言えるところですので、一概に西尾を責めてる訳でもないです。

また、歩夢と判断の速度の差が生んだギャップという印象もあり、評価は難しい所。ただ、歩夢の判断より明らかに遅かったので、西尾にはそこの切り替えの速さを求めたい所です。

2失点目

ここも、相手のロングキックの精度が素晴らしかったし、西尾のプレーに負の要素はかなり少ないと思います。ただ、あえて厳しく書くと、バックステップの踏み方が怪しかったかな?と感じます。

このシーン、自陣ゴールからは西尾の方が近いポジション取りでしたよね。それなのに、相手FWに追い抜かれてゴールを決められた訳です。

では、何故、追い抜かれたか?という所。

西尾は、ボールの落下地点の予測が出来ておらず、FWに追い抜かれるタイミングではずっと目でボールの行方を追ってます。進行方向(自陣ゴール)に対して、後ろ向きに走るわけです。スピードが遅くなるのは当たり前ですよね。それ故に、相手FWに後れを取った形。

多分、ヘディングで触れるか?の判断が遅かったんだろうなと。ヘディングを諦めて、ボールから目線を外して一目散にFWにマークに付く判断があっても良かったんではないかな?と感じてます。それが、かなり難しい判断・プレーだとは承知の上でそう感じます。

ただ、それが出来たとして、失点を防ぐ事ができたのか?というのも微妙だとも感じます。それ位、素晴らしいボールだったと思います。陸の対応にも、不満が出る所だとも思いますし。でも、西尾にも、もうちょっと出来る事があったんではないかな?と。その辺、厳しく見ていきたいですね。

DFライン背後へのボールの対応

ちなみに、上の冨安の例で挙げたロビングの対応、この試合の2失点目の西尾の対応と、野球における外野の守備を考えて頂けると、分かり易いかも知れません。

外野の守備は、よく言われるのが、

フライに対して、一旦、下がってから前に出て捕球しろ!

という所。『ボールの落下地点が守備者より前にある方が対応し易い』という所から、そう指導されてると思います。

これ、上の冨安の例で挙げたそのままですよね。一旦下がって(バックステップ)、前に出て捕球(ヘディング)。しかも、冨安はオフサイドラインを守りつつの対応。ボールの落下地点の予測も優れてるんだと思います。

対して、西尾の2失点目の対応。野球で言う所では、フライを被る選手の特徴ですよね(苦笑)

ボールを目で追い過ぎて、後ろに下がるスピードが落ち、結局、捕球が間に合わないというやつ。優れた外野手は、自分より後ろに落ちるボールに対しては、ボールから目線を外して後ろに猛ダッシュしますよね。ダイレクトキャッチは叶わずも、その後の捕球は早くなります。

攻撃的なサッカーというのは、間違いなくDFラインは高くなります。そうなると、DFラインの裏に落とされるようなボールに対して対応を、DFの選手、特にCBには求められると思います。冨安のように、判断速くて跳ね返せるならよいのですが、そうでない場合は、後ろ向きでプレーする技術が求められます。かなり、センスが要求されるような所。

上手いCBの選手は、本当に上手いんですよね、後ろ向きのプレー。僕自身、拙いながらサッカーのプレー経験がありCBをやってたので、本当に難しいことが分かります。プロはいとも簡単にやってるように見えるのですが、実際はかなり高度なプレーをしてる選手が多いです。その辺り、またどこかで紹介できれば。

そして、西尾にはそういった所も求めていきたいですね。どんどん、ハードルを高くしていこうと思います(笑)

Supportnikを応援してます!

セレサポ:ひではちさん(@hide_cerezo)が開設されました『Supportnik』を応援してます!

Supportnik

僕のブログも併せて、よろしくお願いします(笑)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です