【セレッソ】徳島戦:奧埜のチャレンジ。

セレッソ 1-2 徳島

2021.4.14 @ヤンマースタジアム長居

相手を褒めるべき試合といった所でしょうか。セレッソ視点で見ると、なかなか表現がし難いという印象(苦笑)

それでもまあ、なかなか気分的にしんどいですが、試合を振り返ります。

[土塔えんじ:ご覧の提供でお送りします]

試合内容

●豊川のポスト直撃シュート!!

試合開始早々、徳島が前々からプレスに来てましたが、豊川が競ったボールがルーズになって嘉人がスルーパス。豊川の独走から、シュートもポスト。

これ、豊川が決めていれば、また大きく違った展開になってたと思うのですが。勢い付くという意味では、ここで取り切れなかったのが痛かったですね。

●先制点を許す。

西川のボールロストから、典型的なショートカウンターでの失点。セレッソのDF陣は人数は揃っていたけど、徳島の選手にずっと前を向いてプレーさせ続けてしまいました。

藤田→(パス)→進藤(ドリブル)→(パス)→陸と、パスが全てマイナス方向へのパス。前掛かりになる相手に対してのバックパスは、パス方向と相手のプレスとのベクトルが合うのでかなり危険なんですよね。西川は思いっきり狙いを付けられてた感じですね。進藤がもう一歩二歩ドリブルで進んでたら、また話は違ってましたけど。

それと、ゴールを決めた宮代、上手いですね。歩夢・久保のU-17日本代表のFWの時から、前向いてプレーできる選手というのは知ってましたが、更に良い選手になってきてますな。

●進藤の同点ゴール!!!

藤田のロングスローから、進藤のヘディング!!!これは、突然訪れた感覚で正直、焦りました(苦笑)でも、J1リーグ100試合出場に華を添える自らのゴール!!!素晴らしかったですね。

●西尾のオウンゴール

これは仕方がないですかね。ずっと押されてると、あういうプレーも出てしまうのは仕方がない。

ただ、この試合の西尾の左足のフィーリングは合ってなかった印象でした。このシーン含め、前半試合開始早々のジンヒョンへのバックパスがずれたモノ、後半開始早々のクリアミスからのピンチ(ジンヒョンがゴールエリア外でスーパーセーブした直前の西尾のプレー)。3回も、左足でミスをしてましたね。

サッカー経験者ならわかると思うのですが、どうしてもフィーリングが合わない時ってありますよね(苦笑)そんな感じだったのかな?という印象。西尾には、練習して吹っ切れと言ってあげたい。

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たらればを言うとあれですが、押される展開でも、得点のチャンスはそこそこあったかと思います。前述の豊川のポストに当たったシュート、松本のポストに当たったシュート、元彦FKからの加藤のシュート等々。どれかでも決まってれば、リードを奪う展開になってました。そうなると、相手のパワーバランスが崩せて違う展開になってた印象です。

特に、豊川のはね・・・先制の大チャンスでしたしね。結局、個人的にこの試合を振り返ると、ここに行き付く感じ。要はそこで、決めきれなかったのが痛かったな・・・という所ですかね。

そんな所で、本題。この試合含めて、奧埜を取り上げてみたいかと思います。

その前に、前提として徳島のプレースタイルを書いて行きます。

徳島のスタイル

奧埜を取り上げる前に、前提として徳島のシステムは、守備の時に4-4-2。攻撃時には5枚前線に張り付くようなイメージ。

徳島オフェンス時(後ろ適当ですw)

Dazn観戦でよく分からなかったので、徳島のMF陣以下は適当です(笑)俗にいう『5レーン理論』に基づく可変システムという所。現在のJリーグでは主流(?)ですよね。

[土塔えんじ:いったん、CMです]

この5レーン理論の何が有効かと言うと、簡単に言ってしまうと、以下の2点だと思ってます。

  • ボールを保持している場合、三角形(パスコース)を作り易い。
  • ボールを失ったと場合に、プレスに行きやすい。

この2つを繰り返すことによって相手をハメて、ずっと相手陣内でプレーし続ける事が出来る(=守備に回る時間が減って、失点も減る)・・・と言ったところだと理解しています。

ボールを保持してる時は人数をかけて相手陣を広げ、ボールを失っても前線に人が多いのでボールに対して密を作り易く、プレスに行き易い。 ポジショナルプレーを実践する上で、重要な考え方かと。

現在のフロンターレ、リーグ優勝した時のFマリノスとか見てると、特徴が分かり易いですよね。

穴もある。

フロンターレの戦績がほぼほぼ完璧なので、システム的に完璧だと思われるのですが、個人的に見てると穴もあります

セレッソの守備陣形:4-4-2で考えると、ボールのないサイドではセレッソの数的優位を作り易いんですね。

ボールのないサイドではセレッソが数的優位

当然、DF-MFライン間に入られると、セレッソMF陣もプレスバックに行きますのでそう簡単には行きません。また、セレッソがボールを奪取した場合もプレスが速いので、空いている場所を分かってたとしても技術的にそこに出すのが難しいという状況。

・・・とここまでは、5レーン理論の優位性そのままと言った所です。穴もある、、と言った所ですが、ボール奪取後の速いプレスでそこまで到達するのにはなかなか困難な状況ではあります。

でも、逆に考えると、そこのプレスをかわすことが出来れば?上の絵そのままに、数的優位を作り易いのですよね。ボールの奪いどころ、そこから来るプレスのかわし所。ここが上手くハマれば・・・という所。

今日のセレッソは、ここの駆け引きにほとんど負けていた印象。そう易々とは行かないですが、ここでひたすらチャレンジしてたな・・・と言うのが、奧埜だったんですよね。

奧埜のチャレンジ

この試合、セレッソの守→攻への切り替え時、いわゆるポジティブトランジションの際、ボランチの藤田、奧埜がボールを持つことが多かった印象です。とりわけ、奧埜がボールを持つシーンが個人的には目を引きました

見どころの少ない試合でしたが、ここの駆け引きは面白かったですね。奧埜は、プレスを掻い潜ろうとするプレーを果敢にチャレンジしている印象でした。

チャレンジする奧埜

上の図から見てわかるように、奧埜が2人をかわせばチャンスが広がります。どこかで仕掛けないとチャンスはない・・と言う試合で、仕掛け所を見極めて、奧埜は果敢に行ってたと思います。

結果的にはほとんど上手くいかなかったですが、奧埜がチャレンジしていることに個人的には好意的に捉えてました。クルピの薫陶を受けて、こういう所でも奧埜は変わってきてるかな?という印象はあります。

ただ、個人的には少し残念に思う所もありました。その辺を以下に書いていきます。

奧埜がもう1つ上に行くために

このタイトルの通り、少しダメ出しを含めて奧埜のプレーに言及します。断わっておくと、奧埜に期待を込めて・・・というところですので誤解なきようお願いします(苦笑)。

倒れる奧埜

かな~り昔ですが、こんな記事を書いたことがありました。

倒れない健勇と、倒れる奧埜。そんな対比で記事内容を書いてます。

奧埜はご存じの方も多いと思うのですが、被ファールが非常に多い選手。それによって、チームが救われている部分もあると思います。ファールを貰えるところは、倒れて貰ってしまおうという所。こういうファールの貰い方が、奧埜は抜群に上手いと個人的には考えてます。奧埜は上手く倒れる・・・と言ったところですかね。

でも、この奧埜のこのファールを貰うというプレー、チームの為になってない場面もあるように思っています。今日みたいな試合がそうですね。

チャレンジ後に倒れると・・・

先ほどの図をもう一度、貼ります。

プレスを掻い潜った後

プレスを掻い潜ろうとする際、奧埜はファールを貰う事が多いのはイメージとして分かりますよね?接触プレーも、当然、増えてくるところですし。

ただ、ここでファールを貰ってしまうと、当然、プレーは止まります。そうなると・・・

相手に帰陣する時間を与えてしまう

こういうデメリットが出てくる場合があると考えてます。

当然、プレーを継続できないほどのファールを受けた場合は倒れるべきですが、継続できる状態であれば、多少のファールを受けてもプレーを継続させるべき。個人的にはそう考えています。そうすることで、チャンスに繋がったりするところがあるのでは?という考えです。

この判断はかなり難しい。ファールを受ける選手も、見る側の人間も。スタジアムでじっくり見たい所ではあります(笑)

ただ、ここがね、個人的に考える奧埜の評価が分かれるところだと思うんですよね。

日本代表に選出される選手は、良い意味でも悪い意味でも倒れない選手が選ばれている印象を個人的には持ってます。逆に良い意味でも悪い意味でも、奧埜は倒れる。

正直ベースで語ると、奧埜には倒れて欲しくないんですよね。そうすることが、奧埜が代表に選ばれる為の道筋だと、個人的には考えています。

ボールを前へ運ぶ役割。

そして個人的にもう1つ、奧埜に期待したいのは鹿島のレオ・シルバのようなプレー

レオ・シルバは、多少のファールを受けても1人でボールを前へ運んでしまうんですよね。こういう選手が1人居ると、かなり楽。ビルドアップの概念が、個人で解決できてしまう。

今のセレッソは、残念ながら、まだビルドアップが整理できてないですよね(苦笑)それ故に、FWにボールが当たらないと、今日みたいな話にならないサッカーに終始してしまう印象で。

ビルドアップできない・ボールが当たらないのであれば、個人でボールを前へ運べる選手が必要になってくる。レオ・シルバほどの推進力はなかなか難しいですけど、奧埜にはそういったプレーも期待したいかな?と個人的には思ってます。

独善的に

奧埜はその無尽蔵のスタミナで、チームに貢献してくれる好選手。それ故か、チームプレーヤーに徹しし過ぎずてる印象もあります。

先に挙げた、ボールを前へ運ぶプレー。そういった場面でも、奧埜はパスを選択してしまう印象があります。あくまで、チームプレー優先。

こういったチームプレーヤーに徹する選手は、チームには必要な選手であることは間違いないです。ただ、今、監督はクルピ。もっと独善的にプレーしても、それがチームの為につながるなら、やってしまって良いんですよね。

そういう意味で、奧埜に一番期待したいのは『独善的なプレー』なのかも知れません。奧埜なんで、そのプレーの使いどころも把握してくれてるという信頼もありますしね。もっと、上へ行って欲しい!

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