【セレッソ】札幌戦:ミシャ戦術を打ち破った単純な方法。
セレッソ 2-0 コンサドーレ札幌
@ヤンマースタジアム長居 2020年9月9日
ひやひやな展開でしたが、結果的に快勝でしたね。順位が上に居ると、色々と研究されているな~な印象です。
試合を簡単に振り返ります。
[土塔えんじ:ご覧の提供でお送りします]
1000ゴール目は奥埜!!
●1点目:奥埜のゴール!!(セレッソJ1 1000ゴール目!!)
この得点、奥埜の冷静さも光りますが、アシストした藤田の判断の速さが凄まじかった印象です。ボールをまだ触ってない状態で『奪った』と判断して前を確認。フリーの奥埜へワンタッチパス。なかなか出来ない芸当ですよね。素晴らしい!!奥埜もおめでとう!!
●2点目:奥埜のヘディングシュート!!
1001ゴール目も奥埜!!と言っても、若干、ラッキーゴールではありましたが、そこに居るというのがとても重要ですしね。また、この得点に至る直前、ハーフウェイライン付近でジンヒョンからのパスを、ワンタッチでフリックさせるような丸橋のパスが素晴らしかったと思います。あのパスで、奥埜が上手く前を向けてサイドに展開できた。
・・・こうやって書くと、奥埜をあまり褒めてないな(苦笑)奥埜は、ゴール以外にも要所要所で顔を出してくれてチームに貢献してくれます。派手さはないけど、ロティーナ戦術には欠かせないですよね。
試合の振り返りはこの辺で、本題に入っていきます。
ミシャのロティーナ戦術への対策
冒頭にも書きましたが、この試合、結果的には快勝もひやひやさせられっぱなしでした。ミシャさん、相変わらずの名将っぷりなのかな?と思いました。そんなミシャさんの戦術、単純だけど効果あったな・・・な所を書いていきます。
ゾーン/マンツーマンのハーフ
印象論として、このサブタイトル通りなんですけど、ミシャさんが取った戦術は、
ゾーンディフェンスとマンツーマンのハーフ
こんな感じでした。特筆すべきは、セレッソがセレッソ陣内でボールを持つ際は、ほぼマンツーマンに近い形。
図で示すと、こんな感じ。
セレッソがGK-DFラインからビルドアップしようとボールを回し始めると、どんどん前から来てましたよね。単純に、前線から人数をかけて人の密度を濃くしてプレスする。そうすることで、パスの出すコースを無くしたり、判断させる時間を短くする。
本当にこれだけなんですけど、GK-DFラインからビルドアップするセレッソにとっては、苦しくなるんですよね。ジェイとドゥグラス・オリヴェイラのフィジカルの強さも相まって、相当、押し込められた印象でした。(とりわけ、ドゥグラス・オリヴェイラのフィジカル・スピードは凄かったですね。ヨニッチが弾き飛ばされてるを初めて見ました。)
ただ・・・そんな単純だけど効果的な札幌の守備網、突破したのも実は単純な方法でした。その辺を、次章に書いていこうかと思います。
ミシャ戦術を打ち破った単純な方法
サッカーを観戦していると、応援しているチームが攻撃に移った際の1つの注目点として、
数的優位をどう作るか?
ということが挙げられると思います。
守備においては、相手オフェンスの選手数に対して1枚余らせることが基本的には言われますよね。相手オフェンス:3人なら、ディフェンス:4人とか。逆に言えば、オフェンス:3人に対して、ディフェンス:3人、つまり数的同数ならオフェンス有利ということが基本的には言えると思います。
ここに、今回の札幌:ミシャ戦術攻略の糸口がありました。もう一度、先ほどの図を貼りますね。
赤枠の部分、完全に数的同数になってますよね。
はい。
では、ジンヒョンさん、お願いしまーす。
これだけ(笑)つまり、ロングボールでFWに当てた時点で数的同数になるんですね。FWがボールを繋げられたりキープできれば、そこから展開する戦術。前線には、都倉が張ってるのでロングボールの勝率も見込める。いやぁ、ラクチン。
実際、この試合、ジンヒョンからFWに当てるこの方法で、3つの惜しいシーンを演出しています。
- 37分: ジンヒョン → 都倉 → 奥埜シュート
- 52分: ジンヒョン → 奥埜 → 都倉シュート
- 91分: ジンヒョン → 藤尾 → 鈴木 → 藤尾シュート
赤でマーカーしてるパスが、FWに当てて数的同数になるシーンです。ジンヒョンからのパスではないですが、2点目のシーン含め以下も同じようにFWに当てて数的同数を作り、最終的にシュートまで行ったシーンです。
- 59分: ジンヒョン → 丸橋 → 奥埜 → 坂元 → 松田 → 清武 → 奥埜ヘディングゴール(2点目)!
- 87分: 藤田 → 西川シュート
前述してますが、2点目のシーンの丸橋から奥埜へのパスが素敵過ぎです(笑)札幌DFが下がらざる終えなくなるパス。是非、ハイライトで見直して下さい(笑)
苦戦した試合ですが、かなりのチャンスも演出できています。前半途中から、ゴールキックをロングボールに切り替えたのも、こういった背景があったのだと思います。
裏を返せば、ミシャさんもリスクを冒して取った戦術なんですよね。多分、ミシャさんからして、セレッソのロングボールの精度も前線の圧力で下げる前提だったのだと思いますが、そこはジンヒョンですよね。ポカもあるけどw、本当にそこは凄い。
そして、もう1点。図でも分かることですが、いくらフィールドプレーヤーがマンツーマンで付かれても、ジンヒョンはフリーなんですよね。そこは、どこにでもボールを送れる安心感があります。ジンヒョン様様ですね(笑)
注意点もある戦術
ただし、このロングボール1発の戦術は、どちらかと言うと一か八かの戦術。それだけボールロストの確率も高くなる。
そうなると、この試合もそうでしたが、どうしてもハイテンポな試合展開になりがちなんですよね。ハイテンポな試合は、どちらかと言うとロティーナ戦術のイメージする理想の試合展開には当てはまらない印象。そういう意味では、この試合のように、耐える試合展開にもなりがちなのかな?と思います。
この展開になると、キープレーヤーはFWで間違いない。ボールをキープする、繋ぐということをキッチリできないとかなりしんどい。理想は、FWにボールを当ててからシュートを打ち切るまで行くということですかね。ゴールが入らずとも、一度、流れは切れますからね。
期待したい藤尾翔太。そして・・・
ロングボールを多用するようになると、FWの競り合いの強さが必要になってきますよね。都倉が居るので、都倉が1stチョイスという側面は否めないですが、個人的に期待したいのは藤尾翔太。
U23の試合も見るのですが、そこで藤尾のファンになってます(笑)特に、『自分がシュートする』ありきでプレーする姿勢が素晴らしいと感じます。
そして、もう1つ彼の魅力が、『ハイボールの強さ』ですよね。U23では、ジャンピング胸トラップとか見せてくれます。あれだけ、高いジャンプ力で胸トラップできるとか・・・西澤アキの再来だと個人的には思ってます(笑)
こんな展開が増えることを見越して、ハイボールに強い藤尾をトップに上げたのかな?ロティーナさん。もし、そうならサッカー観どうなってんねん!!な驚きです。
そして・・・ロングボール1発戦術で、もう一人期待は、柿谷曜一朗。
数的同数と書きましたが、別に真ん中でどっしりボールを待つだけでなく、ロングボールでサイドバック裏に裏抜けしても良いのだと思うのですよね。そういう意味で、曜一朗のスピードと技術は活きてくると思います。
ジンヒョン → 曜一朗ゴール。。。もう一回見たいな・・・(笑)期待しています。
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