【セレッソ】ポートFC戦:ブラジル流ターンオーバーとサブチーム

セレッソ 1-1 ポートFC

2021.6.30 @ブリーラムスタジアム

ACLも3戦目、クルピも思い切ったターンオーバーを行ってきましたね。

先の2戦で2連勝してた訳で、この試合については引き分け以上で首位折り返しの結果。そういう意味では、及第点な結果ではあるかな?という気がしないでもないです。ただ、色々な捉え方が出来る試合だったな~という印象はあります。

そんな試合を振り返ります。

[土塔えんじ:ご覧の提供でお送りします]

試合内容・雑感

●10人の入れ替え

前述の通り、ターンオーバーでセレッソは前節先発メンバーから10人の入れ替え。残りの1人は中島元彦、元彦も現時点ではまだまだレギュラー格とは言えない状況を考えれば、現時点でのサブ組のメンバー構成。

そして、この結果は・・・個人的な感想としては、『もうちょっと、やって欲しかったな』という感じですかね。その辺、後述しますが、こいつは!!と感じさせてくれた選手は居なかったかな。

●加藤と松井のミス

苦戦した要因は、まず間違いなく、加藤のシュートミスと松井の被り(苦笑)

加藤のはね、決めて欲しかった(苦笑)あそこで決めてれば、絶対に違った展開になってたはずですしね。あのポジションでボールを受けられた事自体は素晴らしいプレーだとは思いましたが、シュートミスが全てを台無しにしてしまったかな。

松井のはね・・・・(苦笑)何とも言いようがないw 

結局、主力選手を投入せざるを得なかったのはここですよね。加藤と松井に言えることは、ゴールを決めた坂元とアシストした清武、無駄に出場させてしまった歩夢と奧埜に、焼肉でも奢ってあげてください(笑)

●坂元のゴール!!!

これは素晴らしかったですね!清武の落しから、ワンタッチ後のシュート!!流れるようなプレーで見惚れました(笑)

また、個人的には、同様に清武の落しも凄かったな~という印象があります。相手DFを引き付けておいて、その意識の裏にボールを落とす。クルピサッカーの真骨頂とも言えるプレーですよね。

上の記事で書きましたが、ポジショナルサッカーが選手の配置で相手の隙をつくるサッカーだとすれば、クルピのサッカーは選手が仕掛けて相手を動かし、その裏に隙を作るサッカー。これの繰り返し。落としてくれると信じて走った坂元も、素晴らしいですよね。

本当に良いゴールでした。

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そんな所で本題。

元々、以下の記事で書いたのですが、クルピ自体はターンオーバーした実績もあるんですよね。

まあ、誰も得しなかったお隣所属時代ですけど(苦笑)

ただ、ACL開始前に総力戦で臨むとあったので、ターンオーバーはあるだろう・・・とは感じていたものの、ここまで極端なターンオーバーを行ってくるという予想をしてた人はいなかったのではないかな?と思います。僕自身も思っていませんでした。

何故、ここまでのターンオーバーを行ったのか?そして、その狙いは?

少し記憶の奥底の引き出しを、引っ張り出してみます。キーワードは、“ブラジル流”です。そして、それを踏まえて前述の『もうちょっと、やって欲しかったな』 の理由を書いて行こうと思います。

[土塔えんじ:いったん、CMです]

今回のターンオーバーに似た事例

最初に断わっておくと、次に挙げる例は、厳密に言うとターンオーバーという形ではないです。ですが、恐らく、今回のクルピのターンオーバーと考え方は同じだと思います。

その例とは・・・懐かしきジーコ・ジャパンです。

ジーコ・ジャパンの初戦のDFライン

ジーコ・ジャパン初戦の相手、覚えていますか?正解は、ジャマイカです。そして、そのメンバー構成を覚えている方はいますでしょうか?

MF陣は覚えている方は居られると思います。

  • 中田英寿
  • 小野伸二
  • 中村俊輔
  • 稲本潤一

『黄金の中盤』『魅惑のカルテット』とか言われてましたよね(苦笑)ここは、有名でした。では、DFラインはどういうメンバー構成だったでしょう?

この時のDFラインの構成は、こんな感じ。

  • 左: 服部年宏
  • CB: 松田直樹
  • CB: 秋田豊
  • 右: 名良橋晃

どうでしょう?このDFライン。当時、このDFラインが物議を醸してたんですよね。

服部・松田はまだしも、秋田は2002年ワールドカップに選ばれてましたが、精神的支柱のみの存在。戦力としては、???な部分が多かったんですよね。名良橋も同様で、前任のトルシエ時代にはほぼ選ばれずで3-4年ぶりの代表復帰。そして、即スタメンという。穿った見方をすれば、『鹿島出身者への身びいき』でしたね。

そんな悪く言えば『落ち目』な選手を2人もDFラインに抱えてたから?か、チームの状態も上がらず、5戦を終えて1勝2分2敗の成績。6戦目、長居スタジアムで行われたアルゼンチン戦(←見に行ってました)で、1-4の大敗を喫します。

一気にDFラインを変更する。

そして、このアルゼンチン戦の敗戦を機に、ジーコはDFラインを一気に変更します

  • 左: 三都主アレサンドロ
  • CB: 坪井慶介
  • CB: 宮本恒靖
  • 右: 山田暢久

初戦のDFラインが、誰一人、残ってない(笑)

そこから、成績が急上昇!・・という程でもなかったですがw、ぼちぼちと試合内容が安定して、調子を上げていく感じでした。

それにしても、かなり思い切ったメンバー変更の仕方ですよね。そのやり方について、当時、ジーコから利点が語られています。個人的にはかなり面白かったので、よく覚えています。そして、そこがこの記事のキーにもなってきます。

ジーコジャパンDFラインの一気替えの利点

多分、スポーツ新聞の記事とかで書かれてたはずなのですが、ざっとネットで探しましたが、当時の記事は出てきませんでした。

だもんで、僕の脳内記憶がソースということになりますが、ジーコがDFライン一気替えを行った利点は、以下ということだったはずです。

三都主・坪井・宮本・山田のDFラインは、サブチームで常にコンビを組んでやっていた。だから、全員を起用することで統率も取り易い。

これを聞いた時、結構、理にかなっているな~と感じた記憶があります。成程、あくまで人と人とのコンビネーションを重視した1つのやり方だな~と。

クルピも人のコンビネーション重視

だいぶ話が逸れましたが、話を今回の試合に戻します。今回のクルピのターンオーバーのメンバーを見た時、このジーコジャパンDFライン総取替を思い出してました。

セレッソの練習を逐一チェックしてる訳ではないので、違っている可能性もあります。伝え聞くクルピの練習方法は、トップチームとサブチームが完全に分かれて紅白戦をメインに行うというものですよね。

当然、トップチームが固定されての練習だとは思いますが、逆に言えば、サブチームも固定されるはずで、サブチーム内で培えるコンビネーションがあるはず。そして、今回の試合でターンオーバーでまるごとサブチームが出れば、そのコンビネーションが活かせる利点があるのではないか?

そういう意味での総取替のターンオーバーだったのでは?と感じてます。ある意味、ジーコと同じで“ブラジル流”なんですかね。全く同じ、人と人とのコンビネーションを重視するやり方やな~と。

トップチームとやり方は違うでしょうけど、サブチーム独自のチームワークで挑む。それらをどこまでこの試合で発揮できたのか?

どうだった?サブチーム。

本当に、サブチームとしてはチャンス!な試合でした。ある意味で、クルピに御膳立てしてもらった状況下での試合。そんな中で、出した内容・結果は・・・・

試合内容を簡潔に言えば、ミスで先制され、主力が出て同点に追いつくというもの。サブチームとしては、内容的には落第点になるのかな?と思ってます。

個人的には、『サブチームで出来ること』をこの試合で示して欲しかったのですが・・・クルピの言うように試合勘ということもあったかと思いますが、もうちょっと何かできなかったか?といよりかは、『もうちょっと、やって欲しかったな』と。

思い出して欲しい『俺たちのルヴァン』

サブチームとして分かり易い好例が、2017年のセレッソですよね。『俺たちのルヴァン』と評して、サブチームがルヴァンカップで好成績を残し、最終的にはセレッソ初タイトルをもたらせてくれました。

こういうサブチームが居ると、トップチームが気が抜けなくなって、チーム内に好循環が生まれる。リーグ:3位、ルヴァン:優勝、天皇杯:優勝 という凄まじい好成績を生んだ要因でもあったと思います。

本当、サブチームには『俺たちのルヴァン』を思い出して欲しいんですよね。クルピより、ユンさんのモチベーションの上げ方が良いと言ってしまえばそれまでなんですが、それは外野の意見。中に居る選手はそれではいけないですよね。あくまで、選手の価値を上げるのは自分自身ですからね。

現時点で出来る事の積み重ね、それがクルピへの信頼にもつながると思います。サブの選手には、しっかりと出来る事をやっていって欲しい。

・・・サラリーマンの仕事と一緒ですね(笑)自戒を込めて、この記事の〆としますw

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