【論】建設業界からIT業界へ転職するための4つの考え方
建設業界と言えば、やはり大変なイメージは付き物ですよね。社会基盤を支える仕事であることは間違いなく、必要とされる仕事であることは間違いのない所ですが、実際に職についてみると、その大変さを身に沁みます。
そして、どうしても建設業界からの転職を考える人は多い印象です。夏場など、エアコンの効いた室内で仕事したい!と思う方も多いでしょう。
ちなみに、僕自身も大学卒業と同時に建設業界(電気工事)に身を置き、その大変さに付いて行けずに転職した経緯があります。そんな僕自身の経験をお伝えしようと思います。
僕は、IT業界へ転職しました。その経験をお伝えすることで、同じように建設業からIT業界へ転身を考えられている方の参考になれば・・・と思います。
この記事で書かれてる内容
以下のような項目で話していきます。
結論を言ってしまうと・・・
- 大丈夫。共通点も多いです。
- あります。ヒントは『軸ずらし』転職
- 言語は何でもOK。プログラミングを楽しむ。スクールも利用。
- 転職エージェント利用。必須と思います。
そんな所を以降で深掘りしていきます。
1.建設業界からIT業界への転身は大丈夫?
建設業界とIT業界。パッと見でも、畑違いな印象のある両職種ですよね。建設業界からIT業界への転身は、正直ベース、不安も多いと思います。
ただ、個人的な経験として、
建設業界とIT業界は、意外と共通点が多い
という事が言えます。その辺を少し。
機能ごとにチームが決めれる。
個人的に組込系のエンジニアでしたので、家電製品を例に出します。例えば、コピー機。
コピー機を機能で分けていくと、大まかに以下のような形で分かれるのは想像つきますよね。
- コピーしたい用紙をスキャンする機能
- スキャンした画像をデータ化する機能
- データ化した画像を出力する機能
ソフトウェア開発する側で行くと、これら1つ1つの機能を別々の開発チームが担当するという形になります。そして、最終的に個別の機能を統合するようなイメージです。
翻って、建設業界でビルを建てる場合はどうでしょうか?
- 鉄骨
- コン打ち(コンクリート)
- 配線(電気)
- 配管(設備)
- 壁、装飾(大工)
こんな形で、それぞれが別々に担当して作って行きますよね?そして、最終的に1つのモノ(ビル)を作り上げます。
上で挙げたIT業界とも、よく似ていますよね?これは、僕が先輩エンジニアから聞いた話ですが、実はIT業界の開発の進め方は建設業界の仕事の進め方をモデルにしていた所があるんだそう。だから、建設業界からの転身とはいえ、意外と馴染みを感じる所はあると思います。
2.建設業出身者は、IT業界へニーズがあるか?
建設業界からIT業界への転身を考えた場合、頭を過るのが、
建設業界出身者(IT未経験)はニーズはあるのか?
という所だと思います。これも、個人的な経験側では『あります』。少し、僕の経験を書きます。
建設業界でのソフト開発
僕自身、以下のような流れで転職を繰り返しました。
- 建設業界(電気設備)
- 建設業界(計測システム、開発・システム導入)
- IT業界(組込みソフトウェア開発)
注目は2項目『建設業界(計測システム、開発・設置)』というところです。実は、建設業界でもソフトウェア開発を必要とする業種があるんですよね。こういった会社を狙うのもありです。建設業界を知っている分、採用に有利に働く可能性があります。
僕の例を紹介します。
僕がまず転職したのは、計測システムを開発するベンチャー企業。当時、このベンチャー企業は社員数も少なく、10名程度でした。また、在籍していた社員は全てソフト開発を行う人たちで、どちらかと言えば当時『オタク』と言われるような人たちでした。当然ながら、建設業界出身者はいませんでした。
でも、システムを納めるのは建設業界。ご存じ、建設業界の所謂、難しめな現場監督さんとかも相手に仕事の調整をしないといけません。
そんな所で、建設業界出身の僕が入社希望。建設業界の知識が欲しいベンチャー企業と、ソフト開発の実績を積みたい僕のお互いのニーズが見事に合致して、入社が決まった経緯があります。
多分、僕は幸運な部類だとは思うのですが、探せばこのような出会いはあると思います。
『軸ずらし転職』で希望職種に転職
上のような形で、幸運にもニーズが合致してソフト開発が行える会社に就職できました。
そして、3年後、ソフトウェア開発の経験も積み、IT業界(組込みソフトウェア開発)にガッツリと入ることができました。上手く、転身できたのではないかな?と思います。
ここで、少し以下の書籍を紹介します。
この中に書かれている『軸ずらし転職』を、僕は実践できていたことになります。 前職の関連性を残した転職先を選ぶ手法です。詳しくは、上記よりをポチってみてください。 この本、転職をする人は必読の良書です。
この書籍では、どちらかと言うと年収UPのためという感じですが、僕の場合は希望職種に在りつく為の『軸ずらし転職』でした。
僕自身、なるように身を任せた結果ではあるのですが(苦笑)、それでも最終的に希望職種にありつけた形でした。
3.IT業界へ進むに何を勉強すべきか?
転職を決断したとはいえ、プログラミング言語を勉強する必要は当然あります。何のプログラミング言語を勉強すべきか?は気になるところですよね。
僕の経験から言うと、
基本的には何でもOK。
だと思います。僕がそうだったのですが、とても簡単なHTMLからでも良いのではないかな?と思います。とりあえず、プログラムが動く感動・楽しさを経験することが重要。そこから徐々に派生していけば良いです。
個人的には独学で、HTML → JavaScript → Perl → PHP → C言語 という流れで勉強しました。ただ、独学では業務レベルになるまでには当然、至りません。業務で使えるレベルになるには、業務を経験しないとほぼ不可能だと思います(稀に、独学で業務レベルに到達する超優秀な人も見かけたりしますが(笑))。
だから、あくまでプログラムが動く感動・楽しさを経験することで充分だと思います。後は、入ってから現場で頑張って習得してください。
プログラミングスクールを利用するのも良い。
本当に何から手を付けて良いか?が分からないという人は、プログラミングスクールに通うのも1つの手だと思います。僕自身も、半年ほど通いました。フリーランスの先生に色々と教えてもらって勉強になりました。
プログラミングスクールでは、プログラミングの勉強が出来る他、就職サポートをしてくれるところもあったりします。スクールから就職と言うパターンも、ありかと思います。
費用は結構、高額になってきます。平均して、30万~50万とかの印象ですね。ただ、IT業界への転身をするのに『ケジメを付ける』という意味では良い金額なのではないかな?と思います。このお金を払って、やってやるぞ!という感じです(笑)
お薦めスクール紹介。
ちなみに、僕が行っていたプログラミングスクールは『マルチメディアスクールWAVE』という所だったのですが、それも20年近く前のこと。このスクールは、既に無くなっているようです(苦笑)
似たようなスクールで、当時、WAVEとどちらにするか?を悩んだ『デジタル・ハリウッド』は健在でした。
【デジタル・ハリウッド】
20年近く前から知られた学校。言わば、老舗のプログラミングスクールですよね。2005年度からは、4年制の大学設立までしてます。驚きです(笑)
4.転職活動はどう行ったか?
プログラミングスクールに通い、いよいよ就職活動。ここは、転職エージェントを利用するのが一番良いと考えます。
転職エージェントは、『転職を希望する人』と『求人を出す企業』との間を取り持ってくれる人です。転職活動をする人にとっては、以下のような事を行ってくれるサービスです。しかも、ほとんどの場合で無料です。
- 求人の紹介
- 履歴書・職務経歴書の添削
- 面接の練習
僕も転職活動で利用しましたが、これ程便利なサービスはないと感じております。その辺を2点ほど紹介します。
面接の的確なアドバイス
前述しましたが、面接の的確なアドバイスをしてくれます。僕自身、このアドバイスを受けてから、面接では負け知らずです(4社だけですが全て内定)。
色々と有益な方法を教えてくれるのですが、僕が参考になったアドバイスは、
『現在の会社の退職理由』=『面接を受ける会社の希望理由』になってないといけない。
これです。退職理由と入社希望理由は、ほぼ面接で聞かれますよね。ここで整合性がとれないと面接で落とされる可能性が高くなるという理屈です。
ただ、ここさえ整理できていれば、個人的な感覚で面接はほぼ通っているように思います(SPIとかもあるでしょうけど、あくまで面接の対策ですね)。
こういった有益な情報を、転職エージェントの利用で教えてくれます。
スキル不足をフォローしてくれる。
建設業界からIT業界への転職では、スキル不足、経験不足を指摘されることが多いと思います。ただ、転職エージェントは転職を希望する人の『人となり』を企業に伝えてくれたりします。
僕自身も、転職した先で『スキル不足は感じたが、面接を受けた印象と、エージェントからの評判を聞いて採用を決めた』という経緯を当時の上司から聞かされたことがありました。転職エージェントがスキル不足をフォローしてくれてたんだな~と感じた一幕でした。
転職エージェントも、人を企業に紹介することで利益を得ます。そういう意味で、転職を希望する人に有利に進めてくれるのは間違いないです。ただ、無茶な紹介は行わないはずです。無茶な紹介をしてしまうと、企業からの印象も悪くするためです。
あくまで、適した企業に適した人が行くように導いてくれていると思います。
お薦めの転職エージェント紹介
僕が利用したのは、インテリジェンスという所でした。ここも、先程のスクール同様、無くなってました(苦笑)無くなってたというよりかは、パーソルキャリアという所に吸収されてました。
ですので、紹介するのはパーソルキャリアの転職エージェントサイト。doda と言えば、知ってる方も多いですかね。
【doda】
IT業界に限らず、転職を希望する方は是非、転職エージェントを利用してみましょう。
IT業界へ転身できた後のこと
ここまで、僕の経験を元に、建設業界からIT業界への転職する道筋を書いてきました。この情報を元に、見事に転身されましたら、本当によかったですね!
・・・・と、言いたい所なのですが、勝負はここからです。
ハッキリ言うと、地獄を見ると思います(苦笑)建設業界では、体力さえあれば何とか乗り切る事ができる側面があると思いますが、IT業界では常に『調べる事、考える事』が求められます。これが、意外にダメージが大きくなってきます。デジタル土方と言われるような所以は、ここにあると思います。
IT業界の知識は日進月歩。常に、変わっていきます。今日覚えた知識が明日には使えない、大袈裟でなく、このようなことも起こりうります。こういう世界観に慣れた時、ようやく一人前のプログラマ、或いはシステムエンジニアと呼ばれるのではないかな?と思っています。
皆さんの健闘を祈ります。
“【論】建設業界からIT業界へ転職するための4つの考え方” に対して1件のコメントがあります。