【論】注意!タコ足配線は電源タップ1つでも燃える!
電源タップでタコ足配線は危険、、、すでに誰もが認識しているところです。
なぜタコ足配線は危険?という問いに対して、ほとんどの人は以下を回答すると思います。
埃が溜まり、コンセントの差し込みのところでショートしてしまうから
はい、その通りです。ただ、埃が溜まってショートする危険も間違いないのですがもう一つ、あまり知られていない危険が潜んでいますので、今回はそのお話を。
話の前段階として、ご家庭にある分電盤にあるブレーカの話をします。
ブレーカの役割は?
冬場に電気ストーブとかコタツに電源を入れた瞬間、遠くで『バスン』という音が聞こえて、電気ストーブの電源が入らない、家庭用にある分電盤のブレーカが落ちていた、、、そんなご経験は、皆さんあると思います。要は、電気を流しすぎたのを防ぐ機能が働いた、、、と直感的に多くの人がわかるアレです。
では、なぜ電気を流しすぎるとだめなのでしょうか?
[土塔えんじ:ご覧の提供でお送りします]
極端な例ですが、落雷とかを想像してもらえるとわかるかと思います。ご想像の通り、電気を流しすぎるとケーブルが燃えるからです。つまり、ブレーカは、
分電盤からコンセントまでのケーブルを燃やさないため
に付いているのですね。
では、次の質問、、、ブレーカはどれくらいの電気を流せるか?
この問いに答えられる人は、間違いなく電気の知識がある方か、分電盤が大好きでマジマジとその様を見ていたような変人です(笑)ほとんどの方はそこまで見ないと思いますので、答えを言ってしまいます。我が家の分電盤の写真、、、
20Aですよね。ブレーカからコンセントまでは、20Aまでしか流せない。少し言い換えると、
20A以上の電流が流れるとケーブルが燃えてしまうので、ブレーカがケーブルを保護している。
のです。
で、ここでようやく本線に戻り、電源タップです(笑)
電源タップを見てみる。
電源タップには、こんなことを書かれていることに気付いている方もおられるのではないでしょうか?
[土塔えんじ:いったん、CMです]
合計1500Wまで
文字通り、合計1500Wまでの電気機器しか差し込んではいけません、、、な意味。少し物理の時間になりますが、この1500Wは電力を表します。これをオームの法則で、電流と電圧に分けてみます。電圧はご存知100Vですので、
1500W(電力) = 100V(電圧) × 15A(電流)
合計1500Wは言い換えると、電流15Aまでということになります。つまり、15A以上の電流が流れるとケーブルが燃えるのです。
また、分電盤に戻ります。分電盤は、20Aまでならケーブルは燃えない。
ただ、電源タップは15Aまでなら燃えない、、、なんです。
この意味するところは、、、
分電盤のブレーカは、電源タップまでを保護できない
のです。
例を挙げて説明します。電源タップをコンセントにつなぎます。電源タップには、合計18Aの電気機器をつないでみます。
大元のブレーカは20Aまで大丈夫ですので、18Aの電気機器をつなげただけではブレーカは落ちません。電気機器が必要とする電流を流し続けます。
ただし、電源タップは15Aまでしか持ちません。電源タップの部分で3Aオーバーしてしまい、結果、電源タップは燃えてしまうのです。
うん、、、恐ろしいでしょ(苦笑)
20年位前の分電盤のブレーカは、15Aやったように記憶しています。だから、電源タップも保護される形にはなっていた。
ただ、今は電気機器が増えてきているのに伴い、20Aに変わってきているのかな?と思われます。その変化に、電源タップの仕様が追い付けてないように思います。20A(2000W)までの電源タップはほとんど見かけません。
電源タップを燃やさない対策は?
これは本当にタコ足配線を行わない、、、に限るのですが、もう少し具体的には、こんな感じかと。
- 各電気機器の電力容量を知ること(熱を発生させるような電気機器は、特に消費電力が大きい。)
- 電力容量を知った上で、複数のコンセントに電気機器を分散させる。
こんな感じかと思います。で、合計15A(1500W)以内に抑えるように。また、少しお金に余裕のある方は以下をお勧めします。
- サーバーラックで使用されるような電源タップを使用する(20Aまで行けるのがある)
- ブレーカ付き(15Aまで)電源タップを使用する。
ちなみに、我が家で実際に電源タップが燃えまして(苦笑)炊飯器+トースター+電子レンジの組み合わせでした。
電源タップだけが燃えたからよかったのですが、一歩間違えれば、大惨事になってたなと怖い思いをしました。まあ、だからこの記事が書けたのですけど(笑)
で、燃えた電源タップの代わりに購入したのが、ブレーカ付きの電源タップです。まあ、入れてから一度もブレーカが飛んだことはないのですけど(笑)飛ばないに越したことはないのですけどね。
この記事を読んでいただき、少しでも電気の災害が減ることを望みます。
また、関西電気保安協会の″電気の正しい使い方”についてのサイトページを張り付けておきます。
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