【セレッソ】松本山雅戦:ソウザか?奥埜か?
セレッソ 2-0 松本山雅FC
@サンプロ アルウィン 2019年5月4日
久々の観戦だったのですが、勝利!嬉しいですね~
ロングボール主体の戦術
この試合のセレッソは、割り切った戦い方をしていたように思います。
[土塔えんじ:ご覧の提供でお送りします]
都倉(187 cm)ブルーノ(184 cm)の長身選手の2トップ。後で調べてみましたが、松本の今井選手(178 cm)、橋内選手(175 cm)はDFとしては小柄。そこのミスマッチを狙ったのかと思います。飯田選手(187 cm)を避ければ、都倉・ブルーノで競り勝てるという狙い。
狙い通り、この2人にロングボールを当て、そこが起点になれてました。セレッソは終始、有利に試合を運べていたかな?と思います。あれだけ敵陣でセレッソ攻撃陣が前を向いてプレー出来ていた試合は、今シーズン初めてだったのでは?と思う。この辺、戦術家:ロティーナの真骨頂やと感じますね。
ブルーノ・奥埜の新加入組の移籍後初ゴールで勝利!!安心して見られる試合でした。
奥埜の有効性
今シーズン、僕個人的に驚きを持って見ているのが奥埜博亮。正直、移籍してくるまでその存在を知らなかった(苦笑)味方になって初めて知りますが、本当に良い選手ですよね。
中堅・ベテラン選手で運動量豊富
Jリーグ公式サイト:トラッキングデータ(走行距離)より、走行距離上位の常連ですよね。
ほぼ、全試合で12kmを超える距離を走り切っています。チームに1人居れば助かりますよね、こういう選手。でもって、今日のゴールはその運動量を活かしたゴールでもありますね。(以下、動画はJリーグ公式より)
奥埜はボランチの位置から右サイドに膨らんで前線に進み、ボールがこぼれてきてシュートを打つまで、全く足を止めていないのですね。ブルーノがシュートを打った後、松本の選手はボールの行き先を見ていて足が完全に止まっているのと対照的で、ゴール裏からのリプレイ映像は実に面白いシーンかと。
多分、奥埜は、
自分が動くことで何かが起こるかも?
そういう感覚を持って、プレーしているのだと思う。
経験・年齢を重ねる内に『何かが起こる可能性が低い』と判断してしまって、小さい可能性の為に動かない中堅~ベテラン選手は多い。それはある意味で仕方のないことではあると思うのですが、奥埜は今年で30歳と言う年齢にも関わらず、こういうプレーを続けている。本当に貴重な存在だなと思います。
・・・言い過ぎを承知で言いましょう。モリシと同じような感覚で見てました(笑)
前でも後ろでもOK
4バック+ダブルボランチだと、サイドバックの動き如何にも寄りますが、攻撃時にボランチは前(攻撃)と後ろ(守備)の縦関係を築くことが多いです。
こういう時に、そのボランチの選手の特徴が見えて面白いのですが、奥埜はどちらか?
開幕前に『奥埜は、どんな選手か?』ということを(知らなかったから・・w)調べたのですが、ベガルタではどちらかと言うと攻撃的な選手だったということを知りました。今日の試合、藤田と組んでどちらかと言うと前目でプレー。攻撃を活性化させ、1ゴール1アシストの記録。
でも、思い出してほしいのが開幕当初。ソウザとダブルボランチを組んでました。ソウザはご存知の通り、攻撃大好き(笑)周りに有無を言わさず攻めるので、必然的に奥埜は後ろでカバー役。でも、豊富な運動量をベースにそつなくこなせてました。
どちらでも行けるのですよね、奥埜。どちらでも行ける・・・と言うことは、選択肢に幅を持たせられる。セレッソのボランチの特徴は、個人的には以下のようなイメージを持ってます。
- ソウザ:前
- デサバト:後ろ
- 藤田:後ろ
- 奥埜:前・後ろ
奥埜は、誰とでも組んでもバランスを保てるのですよね。例えロティーナがソウザ・デサバトをスタートで使っても、サブには奥埜をチョイスするのは間違いないでしょう。去年までのプチ・山村みたいな存在でもあるのかと。この面でも、本当に貴重な存在だなと思います。
ソウザか?奥埜か?
ようやっと、本題。前ボランチ奥埜が、今日ここまで良い動きを見せた今、難題が浮上します。
前目のボランチの1stチョイスは、ソウザか?奥埜か?
ソウザの威力は、セレサポのみならずJリーグファンなら誰しもが知る所です。ただ、個人的には奥埜を推したい気がしてます。その辺の話を、セレッソの攻撃陣の問題点を踏まえて検討してみます。
[土塔えんじ:いったん、CMです]
セレッソ攻撃陣の問題点
前節まで、3試合0点と得点力不足に悩んでいたセレッソ。去年から・・・なんですけど、どういった所に問題があるか?個人的な考えは、
味方を活かすオフ・ザ・ボールの動きに優れた選手が居ない。
ということ。ボールがないところの動きで、相手DFの注意を引く。そうすることで、味方の選手を活かす。そんなプレーをする選手が居なかった。
例えば、曜一朗のオフ・ザ・ボールは、あくまで自分が得点を取るための動きであって、味方を活かすための動きにはなっていない。ユンさん時代は、山村がそんな役割をしていたのですけど、山村のマークがきつくなって健勇が得点を取れなくなった。健勇自身のオフ・ザ・ボールも、曜一朗と同じであくまで自分が得点を取るための動きが主体。(だから、曜一朗と健勇は合わなかった・・・(苦笑))
ここ数年は、味方を活かすプレーヤーが本当に少なかった。その流れか、最近見かけなくなったな・・と感じるプレーが、
MFがFWを追い越す動き
MFが最前線でFWを追い越して、得点に絡んでいくようなプレー。そういうサッカーを志向していなかったのもあると思うのですが、本当に見ない。MFがこういう動きをすることで、FWのマークを分散させることが出来ると思うのですけどね。選手が出来ないのか、戦術的に制限されているのかは分かりませんけど・・・
戦術:ソウザは問題点を助長している(?)
これらの問題点があった上で、これまではソウザの強みを活かすサッカーになっていたのですね。ソウザの強みとは、
- 推進力
- シュート力
この2つですよね。ただ、ソウザのこの強みはそのまま戦術:ソウザになってしまう。戦術:ソウザは、シュートまで打って完結してしまいます。そうなってしまうと、オフ・ザ・ボールもヘッタクレもなくなってしまいます(苦笑)
でもって、ソウザはMF。ソウザ自身がFWを追い越すオフザボールの動きをする・・・想像できませんよね(苦笑)
元々、オフ・ザ・ボールで味方を助ける選手が少なく、その上で戦術:ソウザは1人で完結してしまう。FWを助けられる選手は現状、皆無状態なんだと思います(苦笑) そういう所に得点力不足の原因が潜んでいるんではないか?僕個人は、そう考えています。
だから、奥埜を推す。
これらの現状を踏まえ、セレッソの得点力不足を『味方を活かすオフ・ザ・ボールの動きに優れた選手が居ない。』とすると、
奥埜の有効性を活かす
これが、問題解決の一番の近道なんでは?と現状、考えます。
最近はスタジアムに行けてないので、テレビでは確認の難しいオフ・ザ・ボールの質と言う面で、奥埜のプレーを確認できてません。ただ、今日のゴールのように、それを運動量でカバーできるのでは?と思ってます。最前線まで顔を出して、FWにどんどん絡んで行って欲しい。
だから、現状、ソウザではなく奥埜を推したい。そう考えております。
※むしろ、奥埜をオフェンシブMF(今日で言う水沼・清武のポジション)で使って、前ボランチ:ソウザと併用させるのがベストなんでは?とか思ってたりします(笑)
今年のキーマンになるような気がして仕方がない、奥埜を取り上げてみました。本当に、個人的には今年、最も注目する選手の筆頭に上がってきました(笑)